■とりあえず仕事の合間に働いてみた!
まず、本サイトオヤジ記者が選んだスキマバイトは、焼肉店の皿洗い。ランチタイムの2時間、ひたすら食器を洗い続けるという仕事内容で、業務終了後には賄いがふるまわれるという点にひかれたのだ。 時給は1170円。東京の最低賃金より7円高い。
その焼肉店は、銀座のオフィス街にあるビルの地下で営業していた。入り口のドアを開けると、甘いタレの匂いが鼻を通る。
木目を基調とした落ち着いた洋風の内装で、キャパは全部で30人くらい。おひとり様用にカウンター席も用意されていた。
「スキマバイトで来ました」
入り口のレジに立つ30代後半の店長とおぼしき男性に声をかけると、明るい口調と笑顔で挨拶され、制服を渡される。
ホールには店長の他に従業員が1人。人がギリギリすれ違えるくらいの広さのキッチンには、調理担当が2人いた。
40代後半の職人風の男性が料理長のようで、黙々と作業している。無愛想な印象だったが、懇切丁寧に食洗機の使い方や食器の洗い方を教えてくれた。
脂でギトギトになる網の洗浄は業者に依頼するそうで、バイトが洗うのは皿などの食器だけだという。
そうこうしているうちにランチタイムが開始。食べ終えた食器が厨房に下げられ、皿洗いが始まる。
店の混み具合と比例して、皿が少しずつ溜まっていく。どんどん積まれていく汚れた皿に最初は焦りを感じたが、30分もするとリズムが掴めてきて、スムーズに洗い物をこなせるようになってきた。ふだん、座り仕事の多い記者にとって、汗ばむような仕事は新鮮で、爽快感すらあった。
あっという間に2時間が過ぎ、ランチタイムが終了。私服に着替え終えれば、お待ちかねの賄いタイムだ。
「ごはんは好きなだけ、お代わりしてくださいね」
さっきまで客がいた席で、1000円以上しそうな焼肉セットを提供された。時給1時間分を上乗せされたようなお得感があった。
後日、スキマバイトのサイトを介して、店から「また、働いてくれないか」と仕事のリクエストも届いた。マジメに働いていたのが評価されたようだ。
残念ながら辞退せざるをえなかったが、こういった流れから社員登用につながるケースもあるようだ。