■謎のカラビナ男の正体は弁護士か

「そして、いまだにキャスト不明で、ラーメン店店主・染田(酒井)の死に深く関与しているであろう“謎のカラビナの男”が、最も怪しい人物としてずっと注目されています」

“カラビナの男”とは、第1話の序盤で心麦(広瀬)の自宅アパートを遠くから眺める後ろ姿が映し出されていた、青いカラビナ(金属リング)つきリュックを持つ謎の男性。検察庁本部係の女検事・阿南由紀(瀧内公美/35)がカラビナ男に“春生(リリー・フランキー)が娘に託した手紙が出てきた”と電話で報告する場面から、《検察関係者か?》などと疑う声もある。

 また、ラーメン店店主の染田は生前、何者かに電話で「約束が違うじゃないですか!」と叫んでいる姿を心麦に目撃されている。染田は春生の手紙を偽装した疑いで警察に取り調べを受け、”偽装した”と嘘の自白をしたが、自白するように指示したのが電話の相手だと有力視されている。そして、染田が死亡する直前には、やはり何者かからの連絡を受けていて、“カラビナの男”はラーメン屋の常連だったのだ――。

「そんな疑惑まみれの“カラビナの男”の正体の可能性があると言われているのが、第5話(21日放送)から登場する新キャラクター・三木田辰雄弁護士なんです。

 三木田=カラビナ男説の根拠としては、まず演じる石丸さんの声がカラビナの男の声と酷似していること。そして、三木田は東賀山事件で遠藤力郎(死刑囚)の弁護を務めた弁護士。東賀山事件に関与している超重要人物なんですよね」

 三木田は、名前のみ先行で登場していた。春生が遺した手紙には“以下の人物が逮捕か起訴された場合は冤罪”と6人の名前が書かれていて、そこには逮捕された友哉(成田)、そして三木田の名前もあったのだ。

「三木田は検事を経て弁護士になった“ヤメ検”の可能性がありそうです。それなら、阿南検事と通じていてもおかしくありません。

 ただ、彼がカラビナの男だとすると、遠藤力郎の弁護をしておきながら、その息子である友哉を有罪にしようとしている阿南検事に協力しようとしているとも言える。もしかすると、力郎の弁護もわざと有罪になるように誘導していたかも……なんて説もありますね」

“カラビナの男=三木田説”を信じる声は多く、

《カラビナ男の声、石丸謙二郎さんやん!?そしたら、(司法関係者として)阿南検事と繋がっててもおかしくないやろ》
《カラビナ男は石丸謙二郎か。声が決め手》

 といった声が多く寄せられている。

 そんな、SNSが沸騰している話題作『クジャクのダンス』――本作をじっくりと考察しているというドラマライター・ヤマカワ氏はこう話す。

「第4話は手紙の偽装が嘘だったという衝撃的な告白だけでなく、多くの細かい匂わせ伏線が描かれましたが、赤沢刑事(藤本)が飲んでいる自然水など、小さいスマホの画面で見ている人には分かりづらいネタは、本筋の伏線になる可能性は低い。気づいた人がSNSに投稿し、それが話題になることを狙った仕掛けでしょう。

 では、誰が怪しいかというと、阿南検事の怪しさが増しています。電話で染田が亡くなったことを告げられたときの表情が微妙で、誰が殺したのか知っているのかも……」

 物語の折り返し地点を迎える『クジャクのダンス』。阿南検事とカラビナの男のつながりが今後、重要となってきそうだ――。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。