早いもので、現在放送中の1月期ドラマの多くは折り返し地点を迎えている。放送前の段階からキャスティングやドラマ外の話題性で注目を集めた作品も多かったが――制作会社関係者は言う。
「現在は、Netflixをはじめとして配信ドラマが普及していますし、人気俳優を出したからといって良い数字が取れる時代ではありません。俳優陣のメンツ、彼らの演技力以上に、脚本や演出がどれだけ優れているかが作品の評価、そして視聴率に影響を与えます。
現在放送中の1月期の連ドラには、そうした“出演役者は良いのに”“話題性はあったのに”という感じになってしまっている“がっかり連ドラ”とも言える作品が2作ありますよね」
放送前の期待を裏切ってしまったと言えそうな“がっかり連ドラ”――1つは、フジテレビ系「木曜劇場」枠で放送中の、香取慎吾(48)主演の『日本一の最低男』だという。
【以下、『日本一の最低男』のネタバレを含みます】
『日本一の最低男』は、人生崖っぷちに追い込まれた最低男・大森一平(香取)が、世間を見返そうと政治家を目指すことを決め、選挙において生活者目線をアピールするために、シングルファーザーの義弟・小原正助(志尊淳/29)とその子どもたちと暮らすことから始まる完全オリジナルストーリー。香取にとって『SMOKING GUN~決定的証拠~』(2014年4月期)以来11年ぶりのフジテレビの連続ドラマ主演作として、放送前から大きな注目を集めていた。
「まず、『日本一の最低男』は“香取さんの主演作”というところを強く意識して作られている作品です。
たとえば、正助(志尊)の職場の名前は『フォーピース保育園』ですが、これは香取さんの代表作『人にやさしく』(フジテレビ系/02年1月期)に登場する名フレーズ“3(スリー)ピース”(※よりもっと幸せになれる、という意味)を連想させるもの。
同園を香取さんが手伝いに行く回では、香取さんの代表キャラ・慎吾ママのあいさつ“おっはー”を言うも、令和の子には伝わらない、という香取さんが主演しているからこそのネタもありました」(前同)