■俳優目当てのファンから脚本が総スカン

 そんな川口と松村がメインを張る『アンサンブル』には、同じく女性人気が高く演技派俳優の田中圭(40)も主人公(川口)の元カレ役で出演している。

「ファンが多く、数字が取りやすい人気で旬なキャストで固めていて、内容も胸キュン要素アリの恋愛もの。本来であれば、若者層を中心に多数の視聴者を捕まえられそうな作品ですよね。

 実際、『アンサンブル』は見逃し配信サービス・TVerのお気に入り登録者数87.5万人(2月21日時点)と多いし、第1話から第4話までの総再生数が1000万回を突破するなど配信は回ってはいるのですが、リアルタイムでの数字は取れておらず……。そして何よりも、視聴者からの評判が大変よろしくないんですよね」(前出の制作会社関係者)

『アンサンブル』の第5話(2月15日放送)の視聴率は、世帯4.8%、個人2.6%、コア(13歳から49歳までの個人視聴率)1.3%。

 数字が取れていないだけでなく、

《こりゃひどい脚本。薄っすらと現実離れしてる松村北斗が面白そうというだけじゃ、このポンコツドラマを完走出来ない気がしてきた。元カレとの別れに向き合ってこなかったツケが回ってきてる恋愛トラブル専門(笑)弁護士って…。売れ線のキャスト揃えりゃいいってもんじゃないよ》
《アンサンブル松村北斗目当てで観てたけどまじでもうギブアップ爆 リーガル×恋愛どっちもうっすーいストーリーすぎる、、、》
《キャストが好きでいうと田中圭も川口春奈も松村北斗も好きで絶対面白い絶対見る!って意気込んでたけど離脱しそう》
《北斗のためにアンサンブル見なきゃ……って思うのにセリフと脚本が全然耐えられなくてむり……》

 など、出演者目当てで視聴をしたファンが“見るのを断念する”と声を上げるほど脚本が酷評されているのだ。

 事前の期待を裏切ってしまったという意味で25年1月期の“がっかりドラマ”と言えそうな『日本一の最低男』と『アンサンブル』。両作品を1話からじっくりと見ているドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。 

「いろいろとダメ出ししたくなる2作ですが、共通して言えることは、放送前の“番宣”から受けた印象と、実際の内容に乖離があることですね。『日本一の最低男』は、香取さんが腹黒そうな顔を見せていたのに、第4話以降はぜんぜん悪い奴じゃない。

 一方、『アンサンブル』は、脚本がトンチキなのはもちろんですが、”リーガルラブストーリー”をうたっていたのに、裁判要素をないがしろにしすぎ。お仕事ドラマと恋愛ドラマのバランスの悪さが、期待を裏切ってしまいました」

 タイトルや事前のプロモーションも作品評価に大きく影響してくる。これが違っていたら、両ドラマはもう少し盛り上がっていたかもしれない……。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。