■影を落とす瑞江・柏木悠の死
ドラマ公式サイトでは本作を、“「刑事ドラマ」だけでは終わらない、「チームドラマ」としても見ることができる”としているが、たしかに今回でチームドラマ感は出てきたものの、刑事ドラマの部分はいまひとつ。X上では、《犯人が頭悪過ぎ、どうして凶器を実家の庭に埋めるwww》などと、事件解決までの過程が雑だとツッコむ声が。
一方、チームドラマとしては、木皿が不安を吐露したことを受け、自身の母親が目の前で殺された過去を語るなど、氷月の部下に対する態度が変化。水と油だった氷月と穂村(森本慎太郎/27)も互いを認め始めるなど、徐々にチーム感が出てきてはいる。ただ、残念ながら、全体に漂う暗いムードを変えるほどではない。三歩進んで二歩下がるような感じだ。
これには、瑞江が第3話という、早い段階で殉職したことも大きいだろう。若き同僚の死を背負ってチームの結束が強くなる、という流れにしたかったのだろうが、柊班に悲壮感が出てしまい、暗さを倍増ししているような気がする。チーム感は出てきても、どこか元気が出ないのだ。週の前半、火曜日にこの重さでは、数字が伸び悩んでも仕方ない。
今後は、事件解決と並行して、氷月が子どものころ、父親が母親を殺すところを見たというトラウマも描かれていくだろう。その様子を思い出すごとに、氷月の悲壮感が描かれるはずで、チーム感が高まっていっても、本作の暗い雰囲気はまだ続きそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。