■ヒントが次々に出る『クジャクのダンス』
今週も、赤沢の妻・京子(西田尚美/55)が心麦に渡したお守りに怪しい水、松風の父・久世が警察の不正に絡んでいることを匂わせる、赤沢への「俺はずっと見てるぞ」というセリフなど、謎解きのヒントが出まくりだった。視聴者の考察も、久世に加え、リュックカラビナ男、赤沢夫妻、亡き染田と神井の血縁関係などと、多岐にわたっている。
しかし、X上には《これはどうもダメだわ。前回までどんな話だったか冒頭にVTRで説明するとか、あやしいキャストが多いから名前が出た時に顔をチラッと出してくれないと…降参です》《離脱だなあ~wここまで見ても「考察ありき」が鼻について誰にも共感できない》など、複雑な人間関係、次々と示されるヒントに離脱を表明する人も。
今期、各ドラマが物語の中盤に入り、配信サービス・TVerのお気に入り登録数が伸び悩む中、『クジャクのダンス』は92万を超えた今でも伸ばし続けている(25日午後1時現在)。これは、視聴者の考察を煽る作りがうまくいっているということだが、煽りすぎて考察疲れを訴える人も出てきたようだ。
さらに次回は、弁護士の鳴川という新キャラが登場する。考察合戦はまだまだ続きそうだが、ついていけない人が増えるかもしれない。そうなると、今の好調も陰りが見えてくるだろう。視聴者を引き付ける考察要素が、逆に足を引っ張らなければいいのだが……。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。