不祥事を起こしたタレントの出演シーンが「カット」編集されることは珍しくないが、 不祥事歴のある芸能人の“明暗”が分かれ、波紋を広げている。

 2月24日放送の『国民が選ぶ! 志村けんの爆笑コントベスト30』(フジテレビ系)は、覚せい剤取締法違反などで何度も逮捕されてきた元タレント・田代まさし(68)の姿を“ノーカット”で放送。一方で、同日から同局で再放送がスタートした阿部寛(60)の主演ドラマ『結婚できない男』(2006)では、覚せい剤取締法と大麻取締法違反の容疑で逮捕されたことのある俳優・高知東生(60)の出演シーンがカットされていたのだ。

 2人の不祥事と“現在地”について、スポーツ紙記者が説明する。

「田代さんは盗撮や薬物所持などで度々警察沙汰を引き起こし、直近では19年に覚せい剤取締法違反容疑で逮捕。22年10月に出所し、24年10月に保護観察期間が終了しています。その後は主にYouTubeで活動するなか、24年12月30日の番組『超しらべてみたら』(フジテレビ系)で“地上波復帰”を果たしました。

『国民が選ぶ! 志村けんの爆笑コントベスト30』は、故・志村けんさん(享年70)が中心となる往年のコントから30作品を厳選したもの。田代さんの姿がカットされず、モザイクもかけられないという“オリジナル”のままで放送されました。また、現在のコンプライアンス観点では放送できない過激な描写もそのままに放送され、放送後は賛否を呼びました。

 一部報道では、スポンサーが撤退したフジテレビだからこそなんでも放送できるとの声も紹介していましたね」

 今回、田代を地上波で流したフジ。対する高知はどうかというと──。

「高知さんは16年に覚せい剤と大麻所持の容疑で逮捕され、20年9月に4年の執行猶予期間が終了。現在は俳優としてウェブ配信ドラマや映画で依存症の役を演じたり、22年にNHKEテレ『ハートネットTV』でも薬物依存について語るなど、啓発活動にも積極的に取り組んでいます。

『結婚できない男』で高知さんが演じたのは、主演の阿部さんのライバルという重要な役どころですが、これまで地上波での再放送時は出演シーンがカットされ、クレジットからも役名と高知さんの名が消された“スペシャルエディション”が放送されてきました。動画配信サービスなどではオリジナル版を放送しているのですが、今回の再放送でも“スペシャルエディション”でしたね」(前同)

 高知は2番組が放送された日の夜に、自身のXで、

《田代まさし先輩の往年のコントが再び地上波で流れてすごく嬉しい!と思っていたら、実は俺が過去に出演した「結婚できない男」も今日から再放送だったらしい。が、俺は名前も出演シーンも全カットされていた。事件から9年。頑張ってきたつもりでもこんな評価かと、自業自得とは言えがっくり落ち込む泣》

 と発信し、ネットでも話題となったが――。