■老後生活に向けて一番人気の資格とは?

 合格率が60~70%とされているのが「第二種電気工事士」です。この資格は、住宅や小規模な建物の電気工事を行うために必要な資格で、照明やコンセントの配線工事など、日常生活で必要とされる作業を担うことができます。試験は年2回行われ、学科試験と技能試験の両方に合格する必要があります。勉強期間は3~6か月程度。電気関連の仕事は安定しており、資格を持っていることで定年後の仕事として活用しやすそうです。

 老後に向けた資格として一番人気と言われているのが、「ファイナンシャルプランナー(FP)」です。FPは税金や資産管理、生活設計などに関する知識を持ち、個人や企業に対してアドバイスを行う資格。特に3級は独学でも取得しやすく、1~3か月の勉強期間で合格が狙えます。試験はCBT(コンピュータ―を使って試験を行う)方式で実施されており、自分の好きなタイミングで受験可能です。合格率も約80%と高く、基礎的なお金の知識を身につけるには最適な資格と言えます。資格手当などの直接的な収入に結びつくケースは少ないですが、金融関連の仕事や副業を目指す場合には役立つでしょう。

 近年では学び直しの機会を求める人が増えており、社会人向けの「勉強カフェ」「オトナの自習室」と呼ばれる会員制のラウンジが増えています。ラーニングスペースにはBGMが流れており、カフェのようにリラックスした雰囲気。飲食や会話が可能なところもあり、勉強仲間との交流もできます。
学びは一生続くもの。どうせなら、老後に備えて資格取得にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。