日本人の文化の一つである“金魚”。その歴史は2000年ほどと長く、現代も根強いファンが多い。タレントの照英さんも、その魅力に取り憑かれた一人だ。現在。1000匹ほどの金魚を飼育しているという照英さんに、今回は金魚を飼い始めたきっかけや、これまでの試行錯誤、そしてかわいいだけではない “夢”のある金魚の世界について話を聞いた。

 照英さんが金魚と出会ったのは2012年、とある旅番組のロケで愛知県弥富市を訪れたときのことだった。

「そこで水が張られた“田んぼ”のような場所を見つけたんです。田植えの時期でもないのになと不思議に思いながら、予定にはなかったんですが。話を聞いてみようということになったんです」(照英さん=以下同)

 弥富市といえば、金魚の養殖数日本一を誇る一大金魚産地。その中でも照英さんが偶然訪れた『深見養魚場』は、“深見ブランド”とも呼ばれ全国でも有名な高級金魚の養殖場だった。

「そこで、この“田んぼ”が金魚畑だと教えてもらって、“金魚の王様”とも呼ばれる“らんちゅう”やその仲間で、深見さんが作出した“桜錦”という品種の金魚を見せてもらったんです。

(らんちゅうや桜錦の)頭がボコボコした大福並みに大きな姿に、そのときは“気持ち悪いですね”なんて言ってしまったんですが(笑)、白とオレンジ色で桜が舞い散ったような模様で、とてもきれいだったんですよ」

 その後 、桜錦の姿が照英さんの頭から離れなかったという。

「最初は帰りの新幹線でもその姿が忘れられなくて、帰宅してすぐ、もらった名刺に電話して“どこに行ったら買えますか”って聞いたんです。そうしたら“もし飼いたかったら何匹か送りますよ”といただいて。それが最初でした」

 しかし、過去に熱帯魚や肉食魚の飼育経験のあった照英さんにとっても、桜錦の飼育は一筋縄ではいかなかった。

「家に来たはいいものの、飼い方が全然わからない。水合わせもせずに水槽に移したら、次の日には死んでしまったんです。

 超有名な養魚場のブランド金魚を一瞬で死なせてしまった――。深見さんに電話で謝ったら“まあ、金魚って、そういうものですよ”と慰めてくれたんですけど、それが悔しくて……。そこで、“よし、絶対とことん調べて金魚を育てよう!”ってなって」