■新品種「照英」に挑戦したい!

写真撮影・有坂政晴

 この日から、照英さんの奮闘が始まった。

「ホームセンターで初心者でも飼いやすい“和金”という種類の金魚を買ってきたりしましたが、しばらくするとまた死んでしまう。設備や餌などを試行錯誤しました。そのうちに、安定して長生きするようになったんです。

 金魚の飼い方の本もたくさん出ていますが、それらの方法で飼育しても、自分の家では室温も違うし、その通りにはならない。それで最終的に“金魚は僕に合わせてくる”ってことに気がついたんです」

 今や、自宅の屋内外に多くの金魚を飼育している照英さん。最近では自身でも「金魚の交配を進めている」と言い、こう続けた。

「“蝶尾”という中国原産の金魚を飼っているのですが、これが手のひらサイズに育って僕の最高傑作。この蝶尾と、愛知県の天然記念物に指定されている珍しい金魚の“地金”を掛け合わせた“東海錦”という品種がいるんですが、この東海錦を自分で交配させて作り出すことに今、挑戦中なんですよ」

 金魚飼育のプロでなくても、こうした楽しみ方はできるのだという。

「金魚の品評会というのがあちこちで開催されているんです。体型や泳ぐ形、ヒレの美しさを評価するコンテストで、並ぶ金魚も圧巻ですから、ぜひ見てほしい。

 どんな人でも参加できるので、立派に育てた金魚でぜひ品評会にチャレンジしてほしいです。日本一になるのはだいたい有名な養魚場だったりしますが、傾向と対策を練れば、個人でも十分、トップを狙える世界だと思うんですよね」

 さらに照英さんには、金魚飼育についての“大きな目標”があるのだという。

「“青い金魚”を作り出したいんですよ。金魚は青い色素を持たないと言われていましたが、最近は緑色が誕生しています。僕、俳優デビューしたのが、『星獣戦隊ギンガマン』(1998~1999年放映、テレビ朝日系)という戦隊ヒーローのブルー担当だったので、新品種を作るには、成熟させてから交配させるまでに最低4年という歳月がかかる根気のいる試みですが、ぜひ成功させたいんです。それでその新品種に“照英”と名付けたい!」

 前編【犬猫は無理でもペットが欲しい!“金魚の達人”タレントの照英が指南する「絶対に失敗しない金魚飼育法」】では、水替えの方法やエサやりの仕方など金魚飼育の基本を照英さんが教える。

照英(しょうえい)
1974年生まれ、埼玉県出身。大学時代、やり投げで国体2位になった実績を持つ元アスリートで、競技引退後に芸能界デビュー。モデル、俳優を経て、現在はバラエティ番組や司会者、ナレーターなど幅広い分野で活躍するマルチタレント。2012年に愛知県弥富市の『深見養魚場』を訪れたのをきっかけに金魚飼育を始め、現在は自宅に約1000匹の金魚を飼う金魚愛好家でもある。