■『E.T.』が重要キーワードなわけ
同シリーズは“ビミョーに非日常系学園ストーリー”で、主人公・ハルヒが高校に入学した際、「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい」と自己紹介しているため、『ホットスポット』で次に登場するのは超能力者ではないかと考察する声がある。
宇宙人、未来人、さらに超能力者が出るとなると、かなりなトンデモ展開だが、バカリズム脚本ならありえるだろう。高橋(角田)は岸本(池松)に「物を触れずに動かせる」「自然を操れる」と嘘をついていたが、これは超能力を持つ人間を出す伏線かも。また、高橋がたびたび自分の能力について説明していたのも怪しい。
清美(市川)らが暮らす富士浅田市に超能力者がいるとなると、いろんな謎が説明できる。たとえば、岸本が撮影したデータが消えていたのも、超能力者が消した可能性が。そして、その超能力者はなんらかの事情で、高橋が宇宙人であることを知られないよう、これまで動いてきたのかもしれない。
たとえば、序盤に話題になった、清美たちが映画『E.T.』を知らないというのも、超能力者に関係しそうだ。清美たちは後追いで見たと言っていたが、“なぜ知らないのか?”の説明はされていない。これも超能力者が宇宙人に関する知識を持たないよう、清美たちの記憶を消していたのかもしれないし、ひょっとすると、清美たちだけでなく、町中の人も……?
もしかしたら、『E.T.』は今後、意外と重要なキーワードになるかもしれない。本作には、高橋と清美が自転車で通勤するシーンがやたら多いし、自転車泥棒のエピソードもあった。『E.T.』のラストでは、宇宙人のE.T.が念力で自転車を飛ばして逃げるが、ひょっとして『ホットスポット』も自転車で空を飛ぶのかも。
ただ、バカリズム脚本は、真相に近づきながらも、新たなヒントをふりまき続けているので、この説もすぐにひっくり返されてしまう可能性がある。はたして、『E.T.』のように高橋と清美が自転車で空を飛ぶか、注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。