冬ドラマもそれぞれが折り返しをすぎ、後半戦を迎えようとしている。その中には、放送開始当初は話題になったものの、その後はすっかり沈んでしまった作品も。その理由を探ってみよう。

 まず、赤楚衛二(30)主演の『相続探偵』(日本テレビ系/土曜よる9時)は、原作・西荻弓絵氏、漫画・幾田羊氏による同名コミック(講談社)の実写化。遺産相続専門探偵・灰江七生(はいえ・なお/赤楚)が、相続にまつわる難解な事件を解き明かし、故人と残された人々の絆を見つめ直す痛快ヒューマンミステリー。

 23年7月期の『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)の視聴率(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)の全話平均が5.0%、24年4月期『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)が4.6%と、主演連ドラの数字が不調続きの赤楚主演だったがーー。

『相続探偵』の視聴率は、最新の第5話(2月22日放送)の世帯平均が5.8%と堅調ながら、配信サービス・TVerではお気に入り登録数が41.2万(すべて27日午前10時現在)と撃沈。正直言って、内容は悪くなく、相続調査事務所の3人、赤楚と桜田ひより(22)、矢本悠馬(34)のキャラを立たせつつ、サスペンスではあるが最後はいい話で終わらせるというわかりやすいエンタメ作品。土曜の夜に気軽に見るのにピッタリで、リアタイ視聴率が良いのもわかる。

 ただ、ミステリーなのに考察を煽る要素はほとんどなく、物語のスパイスとなる恋愛要素も皆無。1話完結のエンタメに振り切っているため、伏線をじっくり見てチェックする必要もない。熱心なファンの多い配信で弱いのは、それが原因だろう。ただ、赤楚はコメディからシリアスまで振り幅の広い役をうまく演じており、次作に期待したくはなる。