ストレス社会に喘ぐ人間が、癒やしにマッサージを求めるように、家でお留守番を務める犬や猫も心や体に疲れが溜まっている。また最近では、年を取ったペットの介護をする方も多いだろう。

「社会法人日本獣医師会の発表する『家庭動物(犬猫)の高齢化対策』によると、1980年の犬猫平均死亡年齢は3?4歳。現在の平均が約14歳ですから、一緒にいられる時間が多くなったぶん、体のケアも考えてあげたいと思う人も増えたでしょう」(ペット情報誌ライター)

 今回は『かまくら げんき動物病院』の院長・石野孝先生、副院長の相澤まな先生の二人に、ペットを癒やす、健康にも良い、という面から5つのツボを紹介してもらった。

「まずは、尾の付け根。実は、この場所は四足歩行する動物の性感帯にあたるんです。馬や牛も、放牧地に行くと雄雌が乗り合っている光景をよく見るかもしれません。犬や猫も尾の付け根を指や歯ブラシでこすってあげると、とても喜ぶと思いますよ」(石野院長)

 また、同じく気持ちの良いツボが集まるのは耳の付け根。「揉んであげると良い」と続ける。

「というのも、犬や猫の多くが外耳炎を患っていると言われています。また、体全体に通じるツボが集まっていますから、刺激するとイタ気持ちいいと感じるようです」(前同)

 次にペットが快感を感じられるポイントは“肉球”だ。

 肉球をモミモミ、プニプニと触わることは、飼い主にとっても癒しのひと時と言えるが、ペットにとっても幸せな瞬間だという。

「チワワなどの小型犬、ネコなど、しっかりとした散歩ができない子にとって、肉球をマッサージされると擬似散歩になるんです。また、ネコは〝フミフミ〟をする習慣があるので特に心が落ち着くのでしょう」(同)

 ペットが触られて気持ちいい、コミュニケーションになる“マッサージ”を紹介したが、ペットの健康を増進させるツボも存在する。

 疲れているとき、また高齢のペットに元気を湧かせる効果が期待できるツボとは?

「後ろ足の一番大きな肉球の上部、身体に近い場所にある“湧泉”というツボを足先に向かって押します。ここは泉のように元気が湧いてくる場所なのです」(同)

 へその下部に位置する“関元(丹田)”にも元気が出るツボがある。

「抱っこしながら、円を描くようにマッサージするのがおすすめ」