■『ザワつく!金曜日』がシニア層に愛されるワケを分析
なぜこれほどまでに『ザワつく!金曜日』が多くの視聴者に見られているのか、シニア層に愛されているのか、芸能評論家の三杉武氏はこう分析する。
「2018年スタートで、もはや長寿番となり視聴者の視聴習慣としても定着したというのは大きいのではないでしょうか。それに『ザワつく!金曜日』には番組通しのテーマがあるわけでもなく、途中からでも見られる。“ながら見”するのにもちょうどいい構成ですし、フォーマットもできていてシニア層は安心して見られるのではないでしょうか。
テレビ局側はコア視聴率を重視していて若年層向けのコンテンツを作ろうとシフトしているのかもしれませんが、実際にリアルタイムでテレビを見ているのはシニア層が多いわけですしね。
加えて、特に良純さんと一茂さんは大物二世タレント。歌舞伎役者ではないですが、多少ピントがズレた発言をしても許されるような毛並みの良さが感じられます。高嶋さんもシニア層にしてみれば、おてんばで気が強いけど放っておけない可愛げがある人と見られているのではないでしょうか」(以下、すべて三杉氏)
一茂は、ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄氏(89)の長男。良純は元東京都知事の石原慎太郎氏(享年89)の次男であり、叔父は昭和を代表する俳優の石原裕次郎さん(享年52)。高嶋は、伯父が高島忠夫さん(享年88)、従兄弟が高嶋政宏(59)、高嶋政伸(58)という俳優一家を親戚に持ち、父親はビートルズを日本に紹介した音楽ディレクター・高嶋弘之氏(91)。3人とも特別な環境で育ってきた。
「シニア層にとっては尊敬の対象であり、親しみを抱いていたスターの子どもたちがそろい、わちゃわちゃと楽しくトークをしている姿がウケているんでしょう。育ちの良さもあるのかもしれませんが見ていて下品さも感じませんし、シニア層にとっては3人のやりとりが癒やしにもなっているのではないかと。
進行のサバンナ・高橋さんも“猛獣使い”ではないですが、困った年長者の3人をいなしつつしっかりと番組を回すという役割も安心して見られますよね。これが“自分が自分が”と前に出てくるような芸人のMCだったらくどくなりすぎてしまいます。そんな高橋さんの太鼓持ちっぽい人柄、ソフトな語り口も3人と相性がいいのではないでしょうか」
日テレも恐れおののく『ザワつく!金曜日』の好調は、今後もしばらくは続きそうだ。
三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。