■塩野の成長に感慨深さを覚える戦隊ファンは多い

『獣電戦隊キョウリュウジャー』のソウジ(塩野)は、厳格な剣術家の家系で育った16歳の男子高校生。初期は生真面目な性格や父親との不仲などが災いして仲間にも不愛想だったが、回を追うごとに皆と打ち解けるようになり、末っ子ポジションとして可愛がられることに――という、現在の色気マシマシとなった塩野からはちょっと想像できない役柄だった。恋愛面でも鈍感で、剣道部のマネジャーからの好意に気づかずに周囲を呆れさせる、という回もあった。

“未熟な役柄”は当時の塩野とシンクロしていて、公式サイトに掲載されているインタビューでは、

《すぐに感情が出てしまうところがあって。僕も、嫌なことがあると顔に出てしまうので、ソウジも僕も、まだまだ子どもなのかなという気がしています(笑)》

 と、コメントしていた。

 また、剣術使いのため生身で殺陣を行なうシーンも多かったが、これが後の塩野のキャリアにも生きることになった。当時はアクション初挑戦だったが、今や公式プロフィールの特技欄に「殺陣」とあるほどになり、映画『八犬伝』(2024)や『HiGH&LOW THE WORST』(2019)などで、アクション俳優としての顔も見せている。

 そんな“ソウジくん”が大成長を遂げ、垢抜けて、気づけば色気が武器の俳優に成長したことに隔世の感を覚える声は多く、

《塩野くん大人になったなぁ…私の記憶はキョウリュウジャー のソウジくんだから…》
《いやー塩野瑛久くん凄く立派になったね 彼はキョウリュウジャーから知ってるけど 凄いよ》
《一条天皇から入った塩野さんの沼にハマった方はキョウリュウジャー見て下さい》
《しかし塩野くん美しく成長したのね…一条天皇なんと麗しいでもお顔の可愛らしさはキョウリュウジャーのソウジくんと大きく変わらない感じする》

 といった声が、彼が『光る君へ』で売れ始めた時期から増えている。

 ちなみに、『キョウリュウジャー』はリーダーの“桐生ダイゴ/キョウリュウレッド”役は竜星涼(31)、番外戦士の“弥生ウルシェード/2代目キョウリュウバイオレット” 役は飯豊まりえ(27)が演じていた。今やトップ俳優になった彼らに勝るとも劣らない人気を獲得した塩野の圧倒的な色気で、新ドラマ『魔物』も大いに話題になりそうだ――。

特撮ライター・トシ 
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受ける。その後、歳を重ねても熱量は衰えず『クウガ』から始まる平成仮面ライダーシリーズと現在も歴史が続く令和ライダーはすべて履修し、『スーパー戦隊シリーズ』、平成以降の『ウルトラ』シリーズも制覇済み。『仮面ライダーゴースト』の主人公の決め台詞でもある「俺は俺を信じる!」を座右の銘に仕事に全力全開。