■動画編集ソフトの進化、サブスク化も大きい

 今、沸騰しているという「動画編集スクール」ビジネス。だが、同ビジネスはなぜ盛り上がっているのか――。人気バラエティ番組『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)や早朝からのバラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)など多くの地上波番組を自身の制作会社で手掛け、2025年1月に動画編集スクール『動画編集TVラボ』を立ち上げたという中間拓郎氏はこう言う。

『動画編集TVラボ』の中間拓郎氏 (C)ピンズバNEWS

「やはり、“動画編集”というのが教わった方が早く身に着くものだからでしょうね。専門的な感じがしてやるまでは難しそうに見えますが、教われば割とすぐに理解ができて、実際に作業できるようになりますからね」(中間氏、以下同)

 中間氏は、動画編集という仕事の背景について、こう解説する。

「まず、動画編集をしたいというニーズ増加の背景には、やはり、スマートフォンの進化、普及がありますよね。今はスマホは本当にきれいな動画が撮れますからね。それで今は、その撮ったものをどう上手くまとめるかという段階に来たんですよね。

 それが編集なわけですが、“編集”はこれまではいわゆる特殊技能だったと思うんですよ。僕ら、テレビディレクターがやっているような専門家がやる仕事だった。それが今は、一般の人もやるようになり、身近なものになってきた。YouTubeとかTikTokとか実際に動画を出す先もあって、そこには一攫千金もある。個人にチャンスが舞い込んできたとも言えますよね」

 同時に、大企業ではないさまざまな企業も動画で自社をPRする時代となり、そこでも動画制作の需要が生まれてきた。

「そうして動画編集ビジネスがどんどん広がっていっているんですよね。そして大きいのが、動画撮影の技術を上げるよりも、動画編集の技術を磨く方が動画を手っ取り早く面白く、魅力的なものにできるということだと思います。撮影技術はやっぱりなかなか上達はしないんです。あれはプロの領域ですね。一方、編集はある程度学べば上手くなるんです。

 そして、編集ソフトの進化も大きいですね。現在、人気YouTuberたちも皆さん使っているそうですが、『Adobe Premiere Pro(アドビ プレミア プロ)』という編集ソフトがとても優秀なんです。僕たちテレビディレクターの9割くらいもそれを使っていますね。

 昔はこの編集ソフトが高かったんですよね。すべてを揃えるには50~60万円かかったのではないでしょうか。でも今はサブスクで使用することができて、月に4000~5000円払えば使える。今は、それを操作するパソコンの性能も上がっていますから、僕はMacBook Airで使っていますが、Windowsでも使えるし、そういうハードのところでも、動画編集をやるハードルは下がっていますね」