■月の収入30万円、副業から本業にする人も

「動画の需要の拡大」と同時並行で進む「テレビ離れ」――それにより、長年テレビ界で活躍していた人材の“流出”も始まっている。その一部は、動画編集スクールビジネスにも来ているようだ。前出の中間氏が手掛ける『動画編集TVラボ』の講師は、全員が現役のテレビマンだという。

「テレビ界は今、本当に厳しいことになっていて、特に僕ら制作会社やフリーの人間は大変です。テレビ番組の制作費がどんどん下がっていて、本当はテレビ番組を作りたくても作れない時代になってきてしまっている。仕事を請け負った時点で、赤字が決定している仕事もありますからね。それをやり続けると、会社は倒産するし、個人は食っていけなくなります。

 でも、僕らはやっぱりテレビが好きで、ずっとテレビ番組を制作としてきた者としてのプライドもある。だから、テレビマンの底力を見せたいんです。テレビマンのクオリティを伝えて、学んだ人にもどんどん良いものを作ってもらって、“やっぱりテレビの人はすごいんだな”という盛り上がりを作っていきたいんですねよ。

 そして、多くの動画編集スクールでは“編集技術を磨いて、テレビクオリティを目指しましょう”と謳っているんです。だったら、最初からテレビマンが教えたらいいよね、と思ってこのスクールを立ち上げたんですよね」

 現在、動画編集スクールは多数存在しており、YouTubeの人気番組『令和の虎』にも出演する青笹寛史氏が主宰するスクール『動画編集CAMP』などは日本各地に加えて、タイにも教室を持っているほどだ。中間氏のスクールは、テレビ現場のノウハウを詰め込んだ教材を作成し、バラエティ番組での“笑いの間”まで教えているというが、そこに来る“生徒”はどんな目的で来ているのだろうか。

「やはり、副業をしたい人が多いですよね。そして、動画編集の副業の良いところは、すき間時間にできることです。仕事の発注はさまざまなパターンがありますが、多いのは映像素材がすでにあって、“〇日までに編集をしてください”というもの。だから、自由度が高いんですよね。

 サラリーマンの方でも土・日や勤務時間外にできるし、主婦の方でも家事の合間でできる。まだあまりキャリアがない人でも月に5~10万程度は普通に稼げますし、どんどんスキルアップして月に10→20→30万円と稼ぎ、本業にしちゃう人もいますよ。本業になった人は、月に100万円超えてる成功者たちもいます。

 動画編集は、スキルアップして動画のクオリティが上がり、作業時間も短縮できるようになればどんどん稼げるんですよね。一方、たとえば、スーパーマーケットのバイトで時給アップを狙っても、なかなか簡単じゃないですよね。世の中の動画のニーズは増えていて、仕事はどんどん増えていますので、やはりオススメの副業と言えるでしょうね。

 あと、当然ですが動画編集はプライベートでもめちゃくちゃ使える技術です。身に着けていれば、自分の子どもの運動会などの行事でも一生ものの動画が作れるし、結婚式で流すVTRも自分で作っちゃえば高いお金が取られないですからね。ちなみに僕も自分の結婚式の動画を自分で作りました。徹夜して寝ずに結婚式に臨むことになりましたが(笑)」

 テレビ業界がシュリンクする一方で、2021年は4000億円程度だった動画広告市場は、今年1兆円を超えるという調査報告もある。人とカネと仕事が増え続けている動画界の勢いは当分、止まらなそうだ――。

解説してくれた中間拓郎氏 (C)ピンズバNEWS

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