■時すでに遅しだった『日本一の最低男』

 そこで、3作品の内容をよく見ていくと、それぞれ原因を抱えていることがわかる。まず『日本一の最低男』は、人生崖っぷちの最低男・大森一平(香取)が、政治家になるための戦略で亡き妹の夫と子どもたちと同居することから始まる、選挙&ニセモノ家族ストーリー。香取の11年ぶりのフジ系連ドラ主演が話題になった。

 ホームドラマをベースにしつつも、不登校、保育現場の人手不足問題、同性婚、地域活性化など、社会問題に大胆に切り込んだ野心作。ただ、前半は物語の全体像が見えにくく、中途半端なホームドラマにしか見えなかった。このことがスタートダッシュに影響したのだろう。

 さらに、タイトルの『最低男』の意味も、はっきり見えてきたのは終盤に入ってから。脚本だけでなく、香取に志尊淳(29)、子役2人の演技も素晴らしく、終盤はかなりの盛り上がりを見せたが、時すでに遅しで、もったいない結果となった。

 板垣李光人と中島裕翔がダブル主演の『秘密』も、もったいない作品と言える。清水玲子氏の漫画『秘密-トップ・シークレット-』シリーズ(白泉社)が原作で、科学警察研究所の法医第九研究室を舞台に、死者の生前記憶を映像化する「MRI捜査」を用い、事件の真相を解き明かしていくヒューマンサスペンス。