■「仮面ライダー」の原点回帰とも言える作品だった

 2019年放送のラジオ『浜辺美波 真夜中のシンデレラ』(ニッポン放送)でも『ウィザード』について、「ファンタジーもすごく好きなので、もうドンピシャっていう感じ」と、浜辺は評していた。

 数あるシリーズの中で『ウィザード』が好き――。この要素だけで『シン・仮面ライダー』に出てくれてよかった、と思わずにはいられない。

『ウィザード』は、魔法使いの青年“操真晴人”(演:白石隼也)が変身する、“指輪”と“魔法使い”がモチーフの仮面ライダー(劇中では『指輪の魔法使い』と呼ばれる)だ。戦闘中は「さぁ、ショータイムだ」「フィナーレだ!」など軽口を飛ばしたりアクロバティックなアクションをしたり、一見すると余裕しゃくしゃくでスタイリッシュな戦闘スタイルで戦う。

 しかし、その実態は常に自分自身を「最後の希望」と鼓舞して、人々のために必死に戦うヒーロー。

 身勝手極まりない動機で人を襲うラスボスの、「人の希望を奪って……君はそれでも魔法使いなのかい?という問いかけに対して言い放った「人の心を失したお前は人じゃない」という一言は、“仮面ライダーと怪人の違いは何か?”という初代『仮面ライダー』から続く問いに通ずる名言として、ファンを唸らせたのだ。

 なお、同じく『ウィザード』は本編最終後に“仮面ライダーという存在”を掘り下げる前後編の特別編も放送しており、そちらも非常に高く評価されている。

 そんな『仮面ライダー』の原点についてあらためて考えさせられる作品を愛している浜辺が、すべての原点である初代『仮面ライダー』をリブートした『シン・仮面ライダー』でヒロインを務めるのだ。どこまでも、運命を感じる話だ――。