■鉄道や距離の矛盾を指摘する声など続々
『あんぱん』には、初回の時点で鉄道ファンからツッコミが入っていた。昭和2年(1927年)の場面で主人公・のぶがSLと並走する場面があったのだが、当時存在しなかった機関車と車両が映りこんでいた、という指摘が相次いだのだ。
「第2週(4月7日~11日)でも、嵩の移動距離の長さや、山場である“あんぱん作り”の描写に不自然と思えるところがあり、指摘が相次ぎました」(前出のテレビ誌編集者)
まず、移動距離の描写の不自然さとは――。
『あんぱん』第2週では、嵩が他の男と再婚した母・登美子(松嶋菜々子/51)に会いに行く必要が生じ、はがきの住所を頼りに御免与町(モデルは現在の高知県南国市後免町)から線路沿いに歩き、高知市を訪れるという物語が展開された。
しかし、現実の路線図から計算すると同ルートは子どもの足で歩いて3時間半はかかる片道10キロ超の距離でありながら、嵩が疲れた様子はほぼなく、あっさりと往復していたため、
《かなりの健脚だなタカシ!(?)》
《「幼い子どもが誰か(肉親だったり先生だったり)に会いたい一心で通常は徒歩圏内ではない遠方まで歩いて行く」というのは数多くのフィクションで使われてきた定番設定だが、時間、距離、疲労、汗と汚れetc. の諸問題をこれほどまでに軽く扱った作品を見たのは初めてです》
《今みたいに舗装されてない道を一日で20キロ以上歩く恐ろしい小学生たかし。どんだけの脚力と体力…》
といった声が寄せられたのだ。
そして、もう1つのツッコミどころは、あんぱん作りの描写。
『あんぱん』には、阿部サダヲ(54)演じる“ヤムおじさん”こと風来坊のパン職人・屋村草吉というキャラクターがいるが、第2週ではのぶの頼みを受けて朝田家を助けるためあんぱん作りをする、というドラマが展開された。