■元キー局Pが想定する2つの「最悪の展開」

 2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』にキャスティンされている永野。NHKと永野サイドは今後、どういった対応を見せるのか――元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう話す。

「現時点では事務所も本人も完全に否定しているわけですから、NHKが正面から降板を言い渡すとは考えにくいですね。ただ、“CM削除ドミノ”が発生していますから、これを理由にして、民放だけでなくNHKも、事実上の出演差し止めなどにする流れに動く可能性はあります」(鎮目氏、以下同)

 永野は10社の企業と契約しているとされるが、5月17日時点で9社がCM動画や各コンテンツを「ブランド本来の価値を伝えることが難しい」などの理由で削除・非公開にする措置を取っている。現状動きがないのは、永野がアンバサダーを務める高級ブランド「PRADA」のみである。

「国民の受信料で成り立っているNHKは“スポンサー企業”とは関係ないように見えますが、NHKは世間の反応を気にするところがあるため、大手企業のリアクションを“世間の声”として受け止めるんです。ですので、永野さんがメイン級でキャスティングされている大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、今がギリギリの状態かもしれません……」

 鎮目氏はさらに、永野にとってのもう1つの「最悪の展開」を話す。

「不倫疑惑は大きな話題なってしまっていますよね。文春だけでなく他の週刊誌も動いているでしょうし、今後も続報が出る可能性は否定できないですよね。文春の第2弾の時点でかなり怪しいのに、もし次が出たらもう決定的。“3アウト”となってしまうでしょうね。

 すでに出演が発表されている『豊臣兄弟!』には出られても、今後しばらくはNHKや民放から新規オファーが来ることはないと思います」

 さらに鎮目氏は、2017年、斉藤が『西郷どん』から自ら降板したことについて、「事務所に花を持たせてくれた可能性も」と言って、こう続ける。

「NHKサイドが、事務所や斉藤さんを気遣ってやんわりと出演辞退を勧めていたのかもしれませんね。もしNHKサイドが降板を言い渡したら、斉藤さんは“NHKに降ろされた女優”となり、その後のイメージ回復が難しくなってしまいますよね。そうした配慮が働き、“NHK側は許していたけど辞退した”という形にすることで、丸く収めたのかもですね」

 朝ドラ『半分、青い。』(18年前期)でブレイクした永野は、来年放送の『豊臣兄弟!』に出演できるのだろうか。クランクインはもう間もなくだという――。

鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)