日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が現代のトレンドを徹底解説。今回は少々趣向を変えて、今や失われてしまった、むしろ、“昭和のほうが良かった”物事をご紹介。

「昔は良かった」という言葉はどの時代にもありますが、それが単なる「懐古主義」だけとは言い切れません。確かに今はテクノロジーの進化で便利になりましたが、一方で「失われたもの」も多いのです。特に昭和世代には、あの頃のほうが豊かで楽しかった……そんな記憶が鮮明に残っています。

 今回は、そんな「昭和のほうが良かった」と感じる7つの事柄を令和と比較しながら紹介します。

 まず挙げたいのが「テレビの面白さ」です。昭和のテレビはまさに「黄金期」。ドッキリやお笑い、バラエティ企画は遠慮がなく『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』や「スターどっきり(秘)報告」など常識破りの内容で視聴者の心をつかみました。録画が普及しておらず、「見逃したら話題に乗り遅れる」と本気でテレビ前にかじりついていた時代です。SNSがないため過激企画へのクレームも見えず、自由で魅力的な表現ができていたのかもしれません。