■子供は騒いでいい! 走っていい! 海外も行き放題!

 6つ目は「子供たちの遊び場」。昭和は空き地が多く、ボール遊びや鬼ごっこは日常的。今は公園でのボール遊び禁止や遊具減少が進み、「騒ぐな、走るな、遊ぶな」となってしまいました。公園の役割に疑問が残ります。

 最後は「海外旅行がしやすかった」こと。80年代のプラザ合意以降の円高で、サラリーマンでも気軽に海外旅行へ。LCCはなかったものの円高で現地も「安くて質がいい」と感じられ、今より海外旅行のハードルは低かったのです。

 ネット上でも「テレビが面白かった」「新聞のテレビ欄を見てワクワクした」「昭和は預金金利が高くて貯めるのが楽しかった」「令和の夏は恐ろしい」「昔は他人の子供でも大人が怒り、みんなで必死に探した」といった声も聞かれます。

 便利で多機能、情報が瞬時に届く今の時代も確かに素晴らしいですが、どこか心の余白が足りない気がするのも事実です。昭和という時代には、もう一度思い出したくなる「豊かさ」があったのかもしれません。懐かしむことで、今をどう生きるかを考えるヒントが見えてくるような気がします。

プロフィール
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。