■消費税もなく、貯金していれば勝手にお金が増えた!
次に「映画館のコスパ」。昭和の映画館は一度入れば何本も観られる“入れ替えなし”が一般的。立ち見も当たり前で、目当てでなくても楽しめる余白がありました。今は完全入れ替え制で一度観るごとに約2000円。気軽に映画を楽しむ文化から遠ざかっています。
続いて「夏が暑すぎなかった」こと。令和の夏は連日の猛暑ですが、昭和はそこまで過酷ではありませんでした。1970年代の名古屋市平均気温は31.7度、2010年代には33.6度に上昇。空き地や土の道、緑地も多くヒートアイランド現象も深刻でなく、木造住宅や畳の部屋が涼を運んでいました。
4つ目は「消費税がなかったこと」。89年に初導入されるまでは物品税が主流で、生活必需品に税がかかることへの反発は強く、導入時には反対運動も起きました。令和の私たちには想像できませんが、何を買っても税がかからなかったのは家計にとって大きな恩恵でした。
5つ目は「預貯金の利子が高かった」こと。昭和の定期預金金利は年8%超えもあり、銀行に預けるだけで資産が増える「貯金で財を成す」時代。金利の高さから「使わずに貯める」ことが合理的で、バブル景気の背景にもなりました。