■第3話ゲストの圧倒的な存在感
そして「株上げ女優」の3人目は――、
「第3話にゲスト出演した、のんさん(31)ですよね。今回の『キャスター』は、事務所独立を巡るトラブルなどもあり、地上波から消えていたのんさんの“11年ぶり民放ドラマ出演”として、放送前から注目を集めていましたよね」(前出のテレビ誌編集者)
のんは2013年前期のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でヒロインを務めて大ブレイクしたものの、15年4月に当時所属していた芸能事務所からの独立を巡ってのトラブルに発展。翌16年6月に事務所との契約が切れ、独立することとなったが、その際に、芸能活動での名義を本名の「能年玲奈」から「のん」に変更した。
その後、のんは映画女優やアーティストとしては成功を収めるも、テレビ各局の忖度などもあって民放局の番組には出られず。最後の民放ドラマ出演は、2014年4月放送の『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)だった。
そんなのんは、『キャスター』の第3話に篠宮楓役で出演。新たな万能細胞を発見するも不正疑惑がかけられてしまった大学の研究員、というキャラクターだった。
『あまちゃん』時代からさらに磨きがかかった透明感あふれるビジュアル、科学を純粋に愛する女性を演じる姿の“圧倒的な主役感”など、大きな存在感が注目を集めた。
《"のん" の目の輝き、肌の美しさ、能年玲奈の頃から何年も経つのに凄いわ》
《能年玲奈の演技素晴らしかったー!!瞳がみっちー(メインキャストのなにわ男子・道枝駿佑/22)に負けないくらいキラキラしてて、言葉に誠実さと説得力があった…あのまっすぐな目の前にはみんな善人になってしまう…すごい…素敵…》
といった女優としての美しさを称賛する声、さらには、第3話は永野の不倫疑惑が報じられた直後、4月27日に放送された回でもあるため、
《永野芽郁の代わりに、のんちゃんをレギュラーにしてよ》
《永野芽郁ちゃんの総合プロデューサー役を急にのん(能年玲奈)に代理替えしても視聴者から文句はそんなに出なさそう》
といった意見も出ていた。
「月城さん、堀越さん、のんさんが輝きを放った 『キャスター』ですが、その他にも謎多き清掃員・鍋田雅子として、ずっと意味深な動きを見せているヒコロヒーさん(35)に注目する声もありましたね。彼女の正体や目的はいまだに不明ですが、6月8日の第9話では秘密裏に重要な証拠“本橋(道枝)のパソコン”を回収する描写もあったり……最終回でも活躍を見せてくれそうです。
また、最終回では新キャストとして、社会現象を巻き起こしたオーディション企画『timelesz project(タイプロ)』を経てtimeleszに加入した寺西拓人さん(30)が、“鍵を握る謎の男”として出演することも発表されています。ヒコロヒーさんと寺西さん――2人の活躍が、最終回を盛り上げてくれるのではないでしょうか」
『キャスター』で株を上げた月城らについて、ドラマライター・ヤマカワ氏はこう評価する。
「月城さんは宝塚時代からのファンが多く、大きな注目を集めていましたが、期待以上のアナウンス力で、彼女に批判的な声は皆無でしたよね。本作が連ドラ初出演ですが、冬ドラマあたりで大きな役のオファーを受けそうです。
堀越さんは『ブラックペアン シーズン2』に続いての日曜劇場出演で、前回は子役の雰囲気が残っていましたが、今回は中学生役ながらも大人っぽい表情を見せ、本人の成長とともに、俳優としての成長もうかがえました。今後も、ドラマでの活躍に期待したいです。
のんさんは、民放ドラマには敬遠されていても、映画や配信ドラマなどで実績を積んできていたので、彼女の演技は『あまちゃん』のとき以上に説得力がありました。永野さんの不倫疑惑騒動もあり、X上では”崎久保に代わって『ニュースゲート』のスタッフに起用してほしい”と、“超展開”を期待する声もあったほどですね」
一部のドラマファンからは《期待外れ》という声も上がってしまった『キャスター』だが、彼女たちが輝いたのは間違いないようだ。
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。