■“地下資源”が今回もカギを握るか
アゼルバイジャンと日本は、1992年に外交関係が樹立されてから長らく友好関係を築いている。
同国は、同じく親日国・トルコから派生した国でもあり、日本語教育も盛ん。町中には日本庭園があるほか、空手や柔道を習う子どもも多いという。世界で唯一日本人のみビザが無料という超親日国である。
「前作『VIVANT』の舞台“バルカ共和国”はモンゴルがモチーフの架空の国でしたが、今回の舞台は同様にアゼルバイジャンがモチーフの国となるのではないでしょうか。前作でも重要な要素だった“地下資源”が、また違った形で描かれる可能性がありそうです」(前出のテレビ誌編集者)
23年の『VIVANT』では物語の終盤、バルカを拠点にする謎の組織「テント」がテロ活動を繰り返していた理由が判明するが、それは地下資源に絡む話だった。
テントは純度99%のフローライトが眠る土地を発見。この土地を確保するための資金調達が目的で、テロや犯罪行為を請け負っていた。そして、一時的にテントに身を置いた乃木(堺)が、この利権を狙うバルカ政府や外資系企業と対立する物語が展開されたのだ。
そして新作のロケ地と見られるアゼルバイジャンもまた、石油や天然ガスなど地下資源が豊富な大資源国。地中から漏れたガスによって数千年にわたって燃え続けているという火があるなど、同国は「火の国」とも言われている。国名の由来も、”火の土地”や”火の守護者”だという説がある。
「また、『VIVANT』では宗教や日本文化を強調する演出も多かったですが、今回の発表でも福澤監督はロケ地の話をする際、“日本みたいに神話の伝説が残るところ”と表現していました。今回も、日本文化とアゼルバイジャンの歴史や宗教を絡めた話が展開されるかもしれませんね」(前出のテレビ誌編集者)
『VIVANT』では、最重要人物で「テント」のリーダー・ベキ(役所広司/69)の正体が日本人で乃木の父・卓であることも手伝い、日本文化を強調するシーンが多かった。
たとえば、ベキは島根県奥出雲の出身であることから、若い頃に出雲大社で挙式する場面があった。終盤には、ベキが日本独自の「八百万の神(やおよろずのかみ)」という宗教観を引用して演説するシーンも。
また、ベキに限らず、乃木の日課が神田明神への参拝だったり、キーアイテムに赤飯が出てきたりと、“日本文化”を強調する演出は多かったことで知られる。