■福田氏が進めた改革の“功”とは

 福田氏の功罪の“功”の部分――1つは、各グループの裁量が増えたことだろう。

「旧ジャニーズ事務所はマネジメント契約のため、どうしても事務所の意向が最優先なところがありました。

 しかし、STARTO社は基本はエージェント契約のため、会社サイドではなく、個人やグループの意思が優先されて仕事が決まっていく。仕事を受けるかどうかもグループに100%決定権があります。最近では、Snow Manが『NHK紅白歌合戦』を巡るところで思い切った決断をし、ファンを喜ばせましたよね」(前出のワイドショー関係者)

 Snow Manはジャニー氏の加害問題の影響で2023年末の『紅白』に出場できなかったが、代わりに行なった大晦日のYouTube生配信が大成功。最大同時接続数は133万人を突破し、YouTubeライブ最大同時接続数の日本記録を更新。“『紅白』で1、2曲歌うよりも満足度が高い”と、ファンからは大好評だった。

 その成功体験もあるのだろう。NHKは24年末の『紅白』でSnow Manに出演オファーを出したとされるが、Snow Manは『紅白』には出ずに前年同様、YouTube生配信を選択。こちらも最大同時接続数126万人を突破し、当日の国内1位を記録した。

「そして何より、退所タレントや競合する男性グループとも気兼ねなく共演できるようになりましたよね。

 LDHのグループやBE:FIRSTJO1などがSTARTO社のグループと共演する風景はもはや当たり前になっているし、SNSなどでツーショット写真を撮ることも珍しくありません。“辞めジャニ”と現役STARTO社のタレント同士の共演もしゅっちゅうですよね」(前同)

 5月22日には、アジア版グラミー賞と言われる新音楽賞『MUSIC AWARDSJAPAN2025』の授賞式に、元ジャニーズの平野紫耀(28)、神宮寺勇太(27)、岸優太(29)の3人組Number_iがノミネートされた際、STARTO社の中島健人(31)が直撃インタビューを行ない、ファンを大いに盛り上げた。

「ジュニアの再編・解体やアイドル誌との関係性の変化など、福田氏が進めた改革は“100%大成功”とは言えないのでしょう。

 それでも、かつての“退所=2度とジャニーズと共演できない”のような空気感はなくなったし、Snow Manの大晦日配信のように、ファンを喜ばせる新たな動きも出てきている。毀誉褒貶ある福田氏ですが、業界の改革者としてSTARTO社の代表を務めた約1年半の歩みは評価すべきものだったのではないでしょうか」(同)

 今回、福田氏が退任することになるSTARTO社は今後、どう変化していくのだろうか――。