春ドラマが次々と最終回を迎えているが、豪華なキャストや斬新な企画などで期待された一方、阿部寛(60)主演の日曜劇場『キャスター』(TBS系/毎週よる9時)、岸井ゆきの(33)と志尊淳(30)によるダブル主演の水曜ドラマ『恋は闇』(日本テレビ系/毎週よる10時)が厳しい結果に終わった。いったい、何がいけなかったのか――。

 まず『キャスター』は、民放テレビ局「JBN」の報道局を舞台にした社会派エンターテインメント作品。型破りなキャスター・進藤壮一(阿部)が視聴率低迷に悩む報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任し、周囲を巻き込みながら真実を追求し、社会の闇を暴いていく物語。

 日曜劇場主演が6回目となる常連の阿部、旬の若手俳優である永野芽郁(25)、熱心なファンの多いなにわ男子道枝駿佑(22)という華のあるキャスト。日曜劇場とあって、手堅いおもしろさが期待された。しかし、全話平均視聴率が11.0%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)とまずまずな一方、配信サービス・TVerのお気に入り登録数が86.1万(最高値/5月25日)と伸び悩み、4位という物足りない位置で終わった。

 毎回、エピソードが唐突に始まり、モヤモヤしたまま終わるというパターンは、視聴者からのツッコミの的になっており、それは6月15日放送の最終回でも同様。続編やスペシャルがあるという前提だったのかもしれないが、あまりに収まりが悪いラストだった。

 結局、景山重工の会長で元内閣官房長官・羽生真一(北大路欣也/82)の後ろ盾だった景山(石橋蓮司/83)に罪を全部かぶせるカタチにし、さらなるラスボスである米軍の存在を匂わせたところで本筋は終わり。日曜劇場のビジネスものの定番とも言える、悪を倒すすっきり感が皆無だったことを考えると、数字が伸びなかったのも仕方ない。