■実際に戦争中と同じ食事をした

 一連の体重の変化について、北村は6月18日配信の『スポニチアネックス』のインタビューで振り返っている。

 まず、北村は役作りの過程でやなせさんの著書を読んだことで、同じ戦争中でも食べ物が豊富にあった時期と、水も飲めない時期があったことを知ったという。そして、当初は訓練も受けてがっしりとした体格だったのが、食料不足を経て痩せ細っていくまでを表現するにあたり、《鍛えた後に一時的に絶食をしました》とのこと。

 最も“飢え”が強調されていた福建省でのシーンでは、実際に昼食は乾パン1枚で水も控え、さらに走り込んで汗を流し、体から水を抜いたという。

「北村さんに限らず『あんぱん』で軍人を演じた俳優は、戦争中の軍人たちと同じ食事をしたり、水を抜いたり……徹底した役作りに励んだそうです。

 特に変化が分かりやすかったのは、嵩(北村)の親友・辛島健太郎役の高橋文哉さん(24)ですね」(前出のテレビ誌編集者)

 健太郎はカレーが大好きな食に興味を持つ青年。出征前は頬もふっくら、少し丸い感じもある姿だった。

 しかし、出征後には頬やあご周りが目に見えてシャープになり、印象は激変。出征後に健太郎が初登場した6月9日のシーンでは、嵩が「健ちゃん」と呼びかけるまで、《誰だか分らなかった》など驚く視聴者も多かった。

 そして、やはり福建省に駆り出されてからは、頬がげっそりとこけ、あご周りはさらに細くなった。

 演じる高橋は健太郎の体重増減に関して、6月20日配信の『オリコン』に以下のコメントを寄せている。

《(平和な時代では)5キロくらい増やしていたのですが、戦争のシーンに向けて1週間で5キロ落としました。戦争中は芋を1日に1本しか食べられなかったとお聞きして、そこから自分も、干し芋を1日1枚食べるという生活を3日くらいやっていました。あとは乾パンを食べてみるなど、なるべくできるところはやろうといった気持ちでしたね》

「また、田川岩男役の濱尾ノリタカさん(25)も“役作りが凄い”と話題になりました。悲劇的な最期も描かれ話題となった岩男ですが、彼の場合は久々の再登場だった、ということもあり印象はとても変わっていましたよね」(前同)