■多部の演技力の高さに絶賛の声

 多部は、ヒロイン役で出演した『マイファミリー』(TBS系/22年4月期)が平均世帯視聴率12.9%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)という高視聴率を記録したり、主演ドラマ『これは経費で落ちません!』(NHK/19年7月期)が『東京ドラマアウォード2020』の連続ドラマ部門作品賞の優秀賞やギャラクシー賞テレビ部門の奨励賞を獲得するなど、出演作品は素晴らしい結果となっている。

「多部さんは2019年に写真家の熊田貴樹さんと結婚し、21年12月には第1子の出産も発表。今やママ4年目のお母さんでもあるため、『対岸の家事』での役柄とのシンクロ感も言われましたね」(前出のテレビ誌編集者)

『対岸の家事』での多部の演技には、

《多部未華子さんの自然な演技が等身大の主婦を体現!共感しかない》
《江口のりことここまで2人の演技時間長くて あの化け物級の俳優さんに全く飲み込まれない多部未華子のホンモノさを知る……》
《多部未華子さん、ナチュラルな演技がとても良い この前も貰い泣きしてしまった》

 といった、演技力の高さに感服する声が多く寄せられている。

“25年春ドラマの勝ち組3女優”とも言えそうな小泉、芳根、多部の演技を、ドラマライター・ヤマカワ氏はこう評する。

「3人の女優に共通して感じるのは、プライベートの生き方が、役の魅力につながっていることです。小泉今日子さんは、加齢に抗わない自然なライフスタイルを貫いていること。それが実年齢と同じ59歳の千明にシンクロし、キャラクターの説得力を深めています。

 芳根京子さんは、スキャンダルとは無縁であること。インスタグラムで見せる姿も、28歳の売れっ子芸能人とは思えないほどスレておらず、男性免疫がない20歳のなつ美を演じても、全く違和感を覚えません。

 そして、多部未華子さんは4年前に第一子を出産し、実際に母親になったこと。22年4月期の『マイファミリー』でも、母親役を演じていましたが、そこからさらに育児経験を積んだことで、今回のほうが演技にリアリティが増していたのではないでしょうか」

 それぞれのプライベートが役に生きた感もある小泉、芳根、多部。素晴らしい作品を生み出した3者の、次の作品にも大いに期待したい。

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。