■祭りの「お神輿」は旧約聖書のアーク!?
そもそも、祭りのお神輿は、旧約聖書に登場する、「契約の箱(アーク)」を模したという説があります。
アークは、モーセの十戒が書かれた石板を収めた箱です。ハリソン・フォードさん主演の映画『インディ・ジョーンズ』にも登場しましたよね。アークは、2本の棒を差して持ち運んでいたといわれています。日本のお神輿のように。
また、京都には不思議な地名がたくさんありますが、その一部は、ユダヤ人が使う、ヘブライ語が由来ではないかとも言われています。
例えば祇園は、古代イスラエルの聖地・エルサレムを指す言葉「シオン」から。また、太秦はヘブライ語の「イシュ・マシャ」。「イシュ」=イエス、マシャ=メシア(救世主)で、イエス・キリストを指すという説もあるんです。
それから、祇園祭を主催する、八坂神社の八坂という名前も、ヘブライ語で「ヤ」は神、「サカ」は見張るという意味で、「ヤサカ」は神の守護を表しているという説があります。
もちろん、これらは仮説にすぎませんが、長い時を超えて受け継がれてきた日本のお祭りに、遠く離れた文化との共鳴が見えてくる――。そう考えると、歴史のロマンを感じませんか?
貴乃花光司(たかのはな・こうじ)
1972年8月12日、東京都生まれ。88年、藤島部屋に入門。92年の初場所で、史上最年少の19歳5か月で幕内初優勝。兄・若乃花と「若貴フィーバー」を巻き起こす。94年11月に第65代横綱に昇進。幕内優勝22回。生涯戦歴は794勝で、「平成の大横綱」と呼ばれた。2018年に日本相撲協会を退職し、現在はテレビ、講演会等、幅広く活躍中。