■相葉雅紀の『大追跡』はシリーズ化必至

 一方で、雑なCGやツッコミどころ満載の演出、主演の櫻井による何とも言えないアクションシーンなど、一周回って“占拠クオリティ”として愛されているネタ要素は健在。

《ガバガバ設定とクオリティの低いCGが癖になるw》
《放送局占拠の櫻井翔の運動神経の無さがあいかわらずすぎて安心する》

 など、評価する声は多い。

「TVer登録者数からも分かるように、多くのファンがついているのは間違いないですね。展開のマンネリ化を指摘する声もありますが、これもファンが『占拠』シリーズに求めている要素を、意図的に擦っている感じでもあります。いわゆる“愛すべきマンネリ”として受け入れられることを想定しての脚本、演出ではないでしょうか」(民放キー局関係者)

 次に、相葉主演の『大追跡』は、コア視聴率やTVerでのお気に入り登録者数は少ない。

「第4話(7月30日)の視聴率は世帯8.1%、個人4.7%、コア1.2%。TVerのお気に入り登録者数は夏ドラマ10位の58万人です。

 ただ、もともとテレビ朝日の刑事ドラマの視聴者は年配層が多く、コア視聴率がそこまで重視されていません。さらにメインの視聴層はTVerを利用していないのでは、と見る向きもあります。世帯と個人の数字は良いですよね。そして、テレビ朝日の刑事ドラマ枠(水曜夜9時~)では、これまでも旧ジャニーズ勢による主演シリーズが人気を博してきました。『大追跡』もシリーズ化を見据えていると言われていますよね」(前同)

『大追跡』は、テレビ朝日の刑事ドラマ枠(水曜夜9時~)では、15年7月期スタートの、東山紀之氏(58)主演の『刑事7人』シリーズ以来10年ぶりとなる新シリーズ。『刑事7人』は公式には完結していないが、東山氏が23年末に芸能界を引退したため、season9(23年7月期)が最後だったと見られている。

 また、同枠での人気コンテンツである井ノ原快彦(49)が主演を務める『特捜9』(18年4月期~)シリーズは、今年4月期に『final season』が放送され、完結した。

 初共演となる相葉、松下と「お芝居のテンポ感やリズムも大事にしつつ、その中でもちゃんと心が伝わるようなドラマにしていけたら」と話す大森は、「すでに3、4年やっているような雰囲気なので、この空気のままずっと長くやっていけたらいいな」と長寿シリーズへの期待を寄せた。

『大追跡』の情報解禁時に相葉は、東山氏と井ノ原の名前を出し《尊敬する先輩方も主演を務められてきたところなので、最初にお話をいただいたときは驚きと光栄に思う気持ちがありました》と、コメントしている。

「作品の特徴としては、全体的にコメディタッチで物語が進行していて、テンポ感も良い。

 また、相葉さん演じる名波のキャラクターも好評です。普段は温厚ですが、上に捜査を邪魔されそうになると、自分が将来を約束されているキャリア組で、伯父が元警察庁長官で現内閣官房長官だと飄々とした顔で主張する、ダーティーな部分もある。穏やかに見せかけての食わせ者な感じが、ハマり役だと好評です」(前出のテレビ誌編集者)