■松本潤『19番目のカルテ』は王道のクオリティ
『大追跡』で相葉が演じる名波には、
《親の権力を爽やかに利用するのいかにもいい人風の相葉くんだからギャップがよい キャラで勝ち取った役だよなー でも浮いてないし見やすい》
《当然、脇を固める俳優さんたちが素晴らしいのもあるが、相葉くんの良さが出ている。水戸黄門の印籠風の長セリフがいい》
《相葉くんめっちゃハマり役だったー!何も分かってないふりして周りをいいように動かす切れ者名波さん良すぎた》
と、ハマリ役だと指摘する声が多く寄せられている。
最後に、松本にとってキャリア30年目で初の医師役の作品『19番目のカルテ』は――。
「民放ナンバーワンのクオリティを誇るとされるドラマ枠『日曜劇場』の作品だけに、出来はとても良いですよね。
松本さん、メインキャストの小芝風花さん(28)や新田真剣佑さん(28)の演技も素晴らしいですが、各話の患者役に実力派俳優を多く起用していることも、クオリティと人気に繋がっている感じ。特に仲里依紗さん(35)が“病名が分からず心身ともに限界の女性”を演じた第1話、津田健次郎さん(54)による“声帯を失うかもしれないキー局アナウンサー”を演じた第3話は、彼らの熱演もあり《泣ける》《凄かった》などの声も多く寄せられています。
視聴率は夏ドラマ1位ですし、TVerのお気に入り登録者数も、『放送局占拠』に次ぐ数字です」(前出のテレビ誌編集者)
『19番目のカルテ』の第3話(8月3日)の視聴率は、世帯10.0%、個人6.1%、コア2.7%。TVerのお気に入り登録者数は、夏ドラマ2位の90.3万人。
ドラマは、主演の松本の演技ほか多くが評価されおり、
《いいドラマやなまだ2話やけど毎回感動するし、オラついた役ばっかやってた松潤が角が取れて丸くなった演技してるのらしくないけど新境地拓いてるなって感じして新鮮味ある》
《淡々としてるけど、軸がブレない展開というか、映像と脚本の絶妙なバランスを役者さん達が上手く繋いでいるというか、全てが一つにまとまっているのが伝わってじわりと引き込まれていく》
《このドラマの松本さんがひたすら「受け」の演技に徹してるからこそ患者さん役の俳優さんたちの演技が刺さる》
といった称賛する声が多く寄せられている。
「まとめると、櫻井さんの『放送局占拠』はリアルタイムの数字は良くないがTVerは絶好調。相葉さんの『大追跡』はシリーズ化する可能性が高く、松本さんの『19番目のカルテ』は王道の『日曜劇場』枠に相応しい結果を残していると。3人とも25年の夏ドラマで、主演の役割をしっかりとこなしていると言えるのではないでしょうか」(前出の民放キー局関係者)
嵐3人の夏ドラマをドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。
「櫻井さんの『放送局占拠』は、シリーズ前2作のパターンを踏襲しすぎてマンネリ気味ではありますよね。ただ、演じる武蔵は“不死身キャラ”なので、そこは安心して見られますよね。
松本さんの『19番目のカルテ』は、“俺様キャラ”を封印した松本さんの受けの演技が新鮮で良いですね。ゲスト俳優も実力者揃いで、松本さんとの対話シーンは見ごたえがあります。
相葉さんの『大追跡』は、大森南朋さんと松下奈緒さんとの掛け合いシーンの、とぼけた感じが面白い。嵐のバラエティ番組で培った、トーク術が活きているのかもしれませんね」
26年春から5月末にかけてのツアーでグループでの活動を終える嵐だが、メンバーの俳優業の未来は明るそうだ。
ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。