■永野芽郁は当分見られないかも

 X上では、《内容がとっ散らかってるし、ちょっとご都合主義過ぎる印象》《開始早々主人公がコンプライアンス敵視するような発言したとこで無理だった》《内容に現実味なさすぎるし永野芽郁ちゃんのキャラの行動が地味にぶっ飛んでて理解できない》など、厳しい声が上がっていた。

 ほかにも、事件は解決するものの歯切れの悪さが目立つ、モヤモヤした終わり方にも不満の声があった。これは、本作が報道をテーマに扱ったせいだろう。日曜劇場はスカッとした勧善懲悪が売りだが、報道は物事に白黒をつけず、公平な立場でなければいけないので、どうしても相性が悪い。盛り上がりを欠くのも当然だ。

 そのため、4月13日放送の初回は、平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)が14.2%と好調発進だったが、27日放送の第3話から10%に急落した。永野芽郁の不倫疑惑騒動で視聴者が離れたのもあるが、なにより雑でモヤモヤする作りのほうが大きいだろう。

 永野芽郁は出演予定だった2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の出演を辞退し、CMの降板はSK- II、サンスター、サントリーなど計9社に及んだ。この影響は大きく、地上波では永野をしばらく見られないだろうから、その意味では『キャスター』は貴重なドラマだったかもしれない。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。