■“稀代のヒットメーカー”大多亮氏は「フジ栄華の象徴」か――

 大多氏は『東京ラブストーリー』、『101回目のプロポーズ』、『愛という名のもとに』、『ひとつ屋根の下』など、フジテレビを代表するドラマのプロデュースを手掛けてきた。

「80年代から2000年代にかけ、『楽しくなければテレビじゃない』をスローガンに掲げたフジテレビは視聴率3冠を取り続けていて、まさに栄華を極めていた。港氏はバラエティで、大多氏はドラマでフジテレビの全盛期を築き上げたと言えるでしょう」(前出の芸能プロ関係者)

 実業家の堀江貴文氏(52)は6月1日にXを更新し、《101回目のプロポーズ最近見てるんだけどほんとめちゃ良いよね。やっと「僕は死にまっしぇん!」のところまで見た。ほんとクオリティ高い。中居くん問題で辞任した大多亮さんって才能あったんだろうなぁ》と、大多氏を評していた。

「大多氏が数々の日本ドラマ史に残る名作を世に送り出してきたのは事実ですよね。ドラマプロデューサーとして超一流だったのは、紛れもない事実でしょう。ですが一方、裏では女子アナたちを接待要員にしていたと。

 かつてのフジテレビでは、多少のコンプライアンス違反があったとしても結果さえ残せば評価を受け、そういう人ほど出世していくという会社だと言われていました。良い面も悪い面も含め、大多氏はそんなフジテレビの象徴的な存在だったのではないでしょうか。

 中居氏の女性トラブルに深くかかわったとされる元編成幹部のB氏が“そういうテレビマンだった”と指摘されましたが、ある意味B氏以上に、圧倒的な結果を残して目覚ましい出世をしていった大多氏のほうがその色は濃かったとも言えそうです。一連の騒動が起きる前は、“次のフジテレビの社長は大多氏”という話も言われていましたね……」(前同)

 大多氏を巡っては、90年に写真週刊誌『フォーカス』(新潮社)に俳優の鈴木保奈美(59)との不倫疑惑が報じられたこともあった。

「あくまでも疑惑でしたが、鈴木さんはこの報道後に放送された『東京ラブストーリー』(91年)と『愛という名のもとに』(92年)の主演を務めましたからね。そんなトップ女優との疑惑が取り沙汰されるなんて、当時の大多氏はもはや一介の会社員の域を超えていたと言えそうです。

 福山さんのような人気タレントを“過剰”に接待し、良い関係を築いてドラマや映画にも出てもらうことで大多氏はヒットメーカーとしての地位を確固たるものに。ただ、当時は人権意識が足りない部分もあったのでしょう。近年の大多氏に“女子アナは上質なキャバ嬢”という考えはなかったでしょうが、過去の驚くような発言が表沙汰になって厳しい声が寄せられていると。

 そして、女性トラブルの対処を誤り、会社に大きな損害をもたらした港氏と大多氏の法的責任を追及するとし、フジテレビは2人を提訴する方針ですよね。トップ2人の人権意識の低さ、ハラスメントに対する意識の低さがトラブルをより巨大化させたとも言える。そういった意味でも、大多氏は、一時、栄華を極めたフジテレビの象徴のように思えてしまいますよね」(同)

 中居氏が引退してから半年以上が経過したが、一連のフジテレビ問題は現在進行形で芸能界にさまざまな影響を及ぼしている――。