■吉沢亮と横浜流星だけじゃない“人気特撮俳優”

 吉沢と横浜の出世ぶりに喜ぶ特撮ファンは多い。

《特撮好きとしては横浜流星、吉沢亮の両名が一つの映画で共演して、ここまで役者さんとして地位を高めた事に感涙》
《吉沢亮は2号ライダーだし横浜流星は4号(グリーン)なのでどっちも主役ではなかったのに今ここまで売れてるの凄いですよね まぁフォーゼもトッキュウも主役は福士蒼汰と志尊淳なのでみんな凄いキャストなんですが》
《まさに『国宝』級の演技でした! かつて息子と観ていた“仮面ライダー(メテオ)”“トッキュウジャー(緑)”に出ていた吉沢亮と横浜流星が、共に大河の主役にもなり、遂にココまで来たのだ...と勝手に日本一の歌舞伎役者になってゆく姿とダブらせてました》
《『国宝』を観た人は仮面ライダーフォーゼ見て欲しい。横浜流星はトッキュウジャー(戦隊)のイメージが強いいけど、その前に仮面ライダーに登場してるんだよね。その時が奇しくも吉沢亮の親友役だった》

 さらに『国宝』と特撮を巡っては、コアなファンの間では、三浦貴大(39)の活躍を喜ぶ声もある。

 三浦は、『国宝』に歌舞伎の興行を手がける企業「三友」の社員・竹野役で出演。“血筋”を重んじる歌舞伎の世襲制度を冷ややかな態度で見ており、当初は喜久雄(吉沢)との関係も悪かったが、徐々にその関係に変化が――という役。ビジュアルは、ぽっちゃりしたスーツ姿と七三分け。出番は多くはないが、三浦が醸し出す絶妙な空気感から、何か“嫌な過去”があったと思わせる名脇役なのだ。

 そんな三浦もまた、吉沢や横浜と同じように特撮作品に出演経験がある俳優の1人。若手時代ではなく、2022年10月配信の『仮面ライダーBLACK SUN』(Amazon Primeビデオ)に、メインキャストとして出演していた。

 同作は、西島秀俊(54)と中村倫也(38)のダブル主演作ということからも分かるように、豪華キャストによる重厚な作品。さらに、多くの人間が“差別意識の強い悪人”にしか見えなかったりと、良くも悪くも政治的で大人向けの作品としても話題になった。

 そんな作品で三浦が演じたのは、表向きには内閣総理大臣の側近を務めている、古代甲冑魚怪人・ビルゲニア。序盤こそ敵サイドの存在だったが、とある事情から心境に変化が訪れ――という、やはり視聴者から好かれるキャラクターだった。

『国宝』での三浦の演技にビルゲニアを思い出す声もあり、

《『国宝』、特オタ的にはビルゲニア役で知られる三浦貴大さん出てたけど、まさにハマり役でした。三浦さん、ああいう含みのある顔をした一見感じ悪いやつを演じるの上手いよね》
《三浦貴大さんが、白石和彌監督『仮面ライダーBLACK SUN』の「ビルゲニア」よろしく、憎みきれない、敵とも味方ともとれない「いい役」してたなぁ 三浦貴大さんが演じる役って、「仮面ライダーBLACK SUN」とか 「国宝」とか、大体うわっ、すっっっっっっっごく嫌いから始まるんだけど中盤からエンディングかけてにものすごい放物線をギュンと描いて好きっっっっっっってなる》

 といった声は多い。

 そのほかにも『国宝』では、SF大作『帝都物語』(1988年)でブレイクした嶋田久作(71)、『GODZILLA ゴジラ』(2014年)など多くのハリウッド特撮で活躍している渡辺謙、『仮面ライダービルド』(17年9月~18年8月末)で“戦死する怪人”として泣ける演技を見せ、仮面ライダーファンの間では有名な芹澤興人(44)など、特撮好きからも人気の俳優が多く出演している。

 今や、歌舞伎とともに日本の芸能文化の一端を担う独特の地位を築いている特撮。115億円映画の“顔”を担った吉沢や横浜のような大スターが、今後も特撮から生まれることを期待したい。

特撮ライター・トシ 
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受ける。その後、歳を重ねても熱量は衰えず『クウガ』から始まる平成仮面ライダーシリーズと現在も歴史が続く令和ライダーはすべて履修し、『スーパー戦隊シリーズ』、平成以降の『ウルトラ』シリーズも制覇済み。『仮面ライダーゴースト』の主人公の決め台詞でもある「俺は俺を信じる!」を座右の銘に仕事に全力全開。