■投手大谷の完全復活は来季?
―― 一方、我らが大谷はどうですか? 先発した21日のロッキーズ戦では、初黒星も付きましたが。
A 打者ではともかく“投手大谷”に関しては、完全復活は来季以降。本人はもとより、ロバーツ監督もそこは織り込み済みでしょう。
C 監督としても、合わせるべき照準はあくまでポストシーズン。“三本柱”の由伸、スネル(32)、グラスノー(32)に続く先発4番手として使えたら御の字でしょう。
B 向こうでは“クローザー待望論”も出ているみたいだね。そんなウルトラCなら、一ファンとしても見てみたいけど(笑)。
C それはさすがにないでしょう。おそらくは大谷と、彼とはまったくタイプの違う左の技巧派カーショウ(37)とで6、7回というのが、監督の描く青写真。まぁ、それが想定通りにいかないのが、今季のドジャースなわけですが……。
B とはいえ、仮に本塁打王を獲れなくても、MVP選考の重要指標とされるOPSやWARは現時点でも大谷がダントツ。3年連続のMVPはおそらく間違いない。他にライバルも見当たりませんから。
――目下、パ・リーグではソフトバンクVS日本ハムのV争いも白熱中です。次回の座談会では、新庄剛志監督の動向など、12球団人事の裏ネタも、ぜひお願いします。今回も、ありがとうございました!
●スポーツ紙アマ野球担当記者が語る『広陵高校野球部暴力問題はなぜ隠されたのか?』
今回の広陵高校の事件のような問題が起こると、当該の高校から県高野連に報告書が提出されて、県高野連が調査のうえ、日本高野連に報告されるんです。そして、日本高野連の審査委員会で審査後、学生野球協会に報告書が上げられる。そこで、最終的な審査が行われて、処分内容が決定されるんですが、「謹慎、対外試合禁止、登録抹消・登録資格喪失、除名」は報道されるものの、「注意・厳重注意」は公表されないんです。
つまり、ファンが知らない事件は、いくつもあります。今回の件は、被害者側の意見が反映されてないという点が指摘されていますが、そもそも県高野連は強豪校、名門校の意向を無視できない組織で、よほどのことがない限り県高野連の報告書がそのまま通ってしまうんです。これが最大の問題点でしょう。広島において格別の存在感がある広陵の報告書に、県高野連が嫌疑をかけて差し戻しを要求するなんて、ありえない。

広陵は甲子園を辞退してから保護者会を開いて、そこで「質問は一切なかった」と学校側のスタンスに理解を得られたと胸を張っていましたが、当たり前の話。なぜなら、野球部監督は選手を推薦で、どこの大学に進学させるかなどの進路における生殺与奪を握っている。中井監督は大学や社会人の野球部に太いパイプがあるから、みんな、事を荒立てたくなかったわけです。
強豪校の監督ともなれば、そういった部員たちへの影響力だけでなく、選手のスカウト目的での交際費が学校側から支給され、部費に加えOBや保護者会、地元企業からの寄付など経済的な力もある。強固な権力構造の頂点にいるのが、強豪校の監督なんです。