■自宅で作るなら日本酒や昆布茶をちょい足し

 さらに、カップ麺業界にも、“具なし”の波が押し寄せている。インスタント麺ハンターの大和一朗氏は、こう語る。

「具を省くことで、その分、スープと麺の質にコストをかけられる。結果として同じ価格帯でも満足度の高い商品が生まれるわけです」

 実際、ローソンから発売されている、『麺大盛り コク辛とんこつラーメン』(198円)と、ファミリーマートで販売されている『LabQかけ醤油らぁ麺』(278円)を大和氏に実食してもらった。

「前者は細麺でこしが強く、スープはすっきり食べやすい一方で余韻も長く、リッチなテイストですね。

 後者は芳醇なしょうゆの香りが立ち上がり、鶏のうま味が支えています。作り手の努力を感じられる感動的な一杯です」

 最後に、大和氏にスーパーなどで売っている生麺や袋麺を使って、“自宅で具なしラーメンをおいしく食べるコツ”を教えてもらった。

 

  1. ①冷凍レモンの皮を擦って投入
  2.  「レモンの爽やかさが加わり、スープとの相性も抜群です」(前同)
  3. ②水で作る冷やしラーメンアレンジ(※袋麺)
  4.  「水で20〜30分かけて戻し、氷を浮かべれば、暑いときにピッタリの最高の一杯になりますよ」(同)
  5. ③日本酒や昆布茶のちょい足し
  6.  「ラーメンの動物性のうま味の強いスープに、日本酒や昆布茶の植物性のうま味を一つまみ加えるだけで、味わいが倍増します」(同)
  7.  

 インフレ時代の強い味方、安くて、うまい新たな味を楽しんでみてほしい。

大和一朗(やまと・いちろう)
食文化研究家。インスタント麺ハンターとして即席麵の「一日一麺」を続け、35年間で20,000食を実食。インスタントラーメン専門店「やかん亭グループ」代表取締役を務める。