■松下洸平の「引き立て力」

 松下は2019年後期のNHK連続テレビ小説スカーレット』をきっかけにブレイク。戸田恵梨香(34)演じるヒロイン・川原喜美子の夫・十和田八郎を好演した。

 八郎がドラマに登場すると、爽やかなルックスと、誠実で不器用な姿を見た視聴者は「あの俳優は誰?」と騒然。ドラマ序盤、“濃い顔”の北村一輝(53)とのシーンが多かったせいか、松下の登場に、戸田も「やっと顔の薄い人が来た(笑)」と上機嫌だったと、2020年1月の『週刊文春』(文藝春秋)が伝えたほどだった。

「『スカーレット』では、強い妻に押されながらも繊細で優しさをにじませる演技で戸田さん演じるヒロインの魅力を引き立てました。松下さんはその塩顔も相まって、たとえば木村拓哉さん(50)が演じるような強くて周囲を引っ張っていく男らしい男を演じる感じではありません。

 どちらかと言うと、強い主人公を引き立てる、そういった役で絶大な支持を得てきましたよね」(前出の制作会社関係者)

※画像は『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』の公式ツイッター『@arienai_g』より

■本家・月9ドラマを“食う”勢いの「月10ドラマ」を経て国民的俳優に!

 松下が『合理的にあり得ない』で演じる貴山は、幅広い分野に精通しており一見完璧にも見えるが、女性が苦手で上手く話せないという弱点があり、上水流にイヤイヤながらも引っ張られつつも、バディとして事件の解決に一手を加える――というキャラクターだ。

「天海さんもそうですが、松下さんにどハマりしそうな役ですよね。カンテレが制作を手掛ける月10ドラマは、長澤さんの『エルピス—希望、あるいは災い—』、草なぎ剛さん(48)の『罠の戦争』とノリに乗っていて、フジテレビ制作の“本家”とも言える月9ドラマの視聴率を上回るほど。

『合理的にあり得ない』も高視聴率が期待されていますし、カンテレはシリーズ化も狙っているのではないでしょうか。天海さんの代表作になり、松下さんのさらなる飛躍も夢ではありません。『エルピス』と『罠の戦争』に続き、月9を食うほどの話題作になれば、松下さんも本当の意味での“国民的俳優”へと成長を遂げることができるのではないでしょうか」(前同)

 3月26日の読売新聞のインタビューで、天海は松下について「とても誠実で、周りと息を合わせてお芝居するのが上手。初共演だけど、そんな感じがしないくらいでした」と語っている。

 息ピッタリの天海&松下バディで、『合理的にあり得ない』はシリーズを重ねていくことになるのかもしれない。