今から約5か月前、食道がんであることを公表し、芸能活動を休止したとんねるず石橋貴明(63)。9月11日発売の『女性セブン』(小学館)では、石橋の現状が伝えられ、近影も報じられたが、その姿に多数の驚きと心配の声が上がっている――。

 石橋は4月3日、自身のYouTubeチャンネル『貴ちゃんねるず』にて、昨秋から体調が悪く、2月に病院で検査したところ、早期の食道がんだったと説明し、治療に専念するために活動を休止することを報告した。

 今回の『女性セブン』の記事によると、石橋は咽頭がんも併発していたことが明らかに。抗がん剤を投与したうえで食道を切除する手術をしたとされ、抗がん剤の副作用にもかなり苦しんだという。そして、2度目の抗がん剤治療を拒否したという関係者の証言も……。

 一時は食事も難しく痩せてしまったというが、記事に掲載された石橋の近影は、髪は白髪交じり、マスクをしているものの顔がげっそりとやせてしまったことがうかがえ、腕も脚もかなり細いという少々衝撃的な姿だった。休養前の石橋はガッシリした体型だったこともあり、世間では多数の心配する声が寄せられている。

 石橋のがん闘病の現状と今後は――。

 本サイトはがんや難病の方々に寄り添う医療を志す「健康増進クリニック」(東京都千代田区)の院長である水上治医師に話を聞いた。水上医師は『がんで死なない最強の方法』(青月社)など多数の著書があり、テレビ出演も多い。水上医師は「具体的に正確な状況が分からないので、状況証拠からの推測になってしまいます」と前置きしたうえで、以下のように語ってくれた。

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――石橋さんは2度目の抗がん剤治療をやめたということなんですが。

「まず、抗がん剤治療を中止する、というのは、よくある話なんです。本人が副作用の強さに耐え切れずに中止をお願いする場合もあるし、医師が検査結果から中止にすることもあります。

 あと、今回の報道を巡っては、石橋さんの痩せた姿について、世間では誤解があると思うんです」(水上医師、以下同)

――誤解、というと?

「石橋さんに限らず、食道がんの大手術を受けたら、体重の10~15%ほど痩せるのは当然のことなんです。実際、私は13キロ痩せた人を診たこともあります。だから、“痩せているから悪い”というのは、彼を傷つけてしまうのではないかな、と。

 もちろん、がんが進行して、それで痩せるというケースもありますが、石橋さんが手術したのは半年ほど前だから、それは考えにくいですね」

――食道がんの手術によって“激ヤセ”してしまうのはよくあることということでしょうか?

「食道がんの手術は、胃を細くして吊り上げて、食道の代わりにするんです。それに、咽頭がんも併発しているなら、相当広い範囲を切除しているはず。そうなると、胃が無くなるため、胃液が逆流して辛いし、1日5、6回に分けて少しずつ食事をしないといけない。カロリーが取りづらくなり、それで痩せてしまうんです。だから、石橋さんの近影を見て、“痩せている=病状が悪い”とは考えない方がいいですね」

――手術後の抗がん剤治療について、詳しくお聞かせください。

「普通、術前化学療法として、『シスプラチン』や『5―FU』という抗がん剤治療を2回ほど行ない、少しでもがんを小さくして手術をするんです。早期に発見できて、うまく切除できた場合は、術後に抗がん剤は使いません。

 あくまでも推察ですが、石橋さんの場合は、リンパ節に転移しているとか、取り残しがあるなどの理由で、術後も抗がん剤を使った方が良い、と医師が判断したのかもしれませんね」