この夏のヒット作は“長編映画”が目立つ。7月18日に公開された『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』は本編155分。記録的なロングランを続ける『国宝』(東宝)は本編175分と予告編を入れると3時間を超える場合も。ここで観客の脳裏によぎるのは“この作品をトイレに行かずに最後まで観られるか”という切実な心配。
そんな中、SNSを中心に、あるライフハックが話題になった。
〈ボンタンアメ。トイレが遠くなるらしい。〉
〈3時間というボリュームにビビったけど、ボンタンアメ一箱食べたら最後まで尿意に襲われることなく物語に集中できた…!〉
んだはん! ボンタンアメと言えば、鹿児島県の銘菓。2025年で100周年を迎えるロングセラー商品。じゃっどん“ボンタンアメで尿意が和らぐ”のはまこての話け?
『所沢いそのクリニック』の磯野誠院長にその真偽を聞いた。
「医学的に明確な科学的根拠が確立されているわけではありません。しかし、複合的な要因が絡み合って結果的に尿意が和らぐということは充分にありえるでしょう」(以下コメントはすべて磯野院長)
とりわけ、ネット上では、「ボンタンアメの主成分“もち米”が水分を吸収する」説が話題となった。しかし仮にそうだとして、ボンタンアメ1箱程度の量で、効果が出るとは思えないという。
むしろ磯野院長が理由の1つとして挙げるのは、「交感神経の刺激による膀胱の弛緩」だ。
「ボンタンアメのような甘味や、柑橘系の酸味があるものを口にすると、それが刺激となって交感神経が優位になることがあります。交感神経が働くと膀胱の筋肉は緩み、逆に尿道を締める筋肉は収縮。結果的に、膀胱が広がりやすくなったことで、尿意が一時的に緩和される可能性があります」
また、アメをなめて分泌された唾液で「抗利尿ホルモン」の分泌がわずかに促される可能性もある。
「唾液を飲み込むことで、体は水分を補給していると認識し、尿の量を減らすように働きます。また、口の中が潤うことで、水分をとりたいという欲求が減る効果も期待できます」