■重要なのは、塩分濃度、咀嚼行為、そしてリラックスすること

 そして磯野院長が「最も大きい要因では」と解説するのは「プラシーボ効果」。“これをなめていれば大丈夫”という安心感が「お守り」となって尿意を遠ざけるかもしれない。

「特に、映画館や渋滞中など“トイレに行けない”という不安や緊張が尿意を過敏にさせている場合は、アメをなめるという行為が気を紛らわせ、リラックス効果をもたらします。ボンタンアメの場合、大事な場面の直前に1~2個口にするのが最も効果的です」

 上記の要素を満たすなら、ボンタンアメに限らず他の食品でも尿意を和らげることが可能だ。映画館の相棒としてメジャーな「ポップコーン」も、実は大きく役立てるという。

「まず、食べるという行為に集中することで尿意から意識がそれます。さらに重要なのが塩分。塩分を摂取すると、体内の塩分濃度を一定に保とうと尿を濃縮して水分を体内に留めようとする『抗利尿ホルモン』の分泌を促します。これにより、尿の量が一時的に減る効果が期待できるのです」

 その他にも、ポップコーン同様に塩分を含み、唾液の分泌を強力に促す「塩昆布」や「梅干し」、咀嚼行為が唾液分泌を促して気を紛らわせる効果があるとして「ハイチュウ」や「ガム」などにもお守り効果が期待できる。

 さらに、ナッツ類や干し芋なら腹持ちも良いため、空腹による胃腸の動きが膀胱を刺激するのを防ぐ効果も見込めるかもしれないという。