■『国宝』の独占配信権は配信サービスのブランド力につながる
今や多くのエンタメ好きが利用する大手動画配信サービス――前出の芸能プロ関係者が言う。
「かつて、動画配信サービスと言えば海外資本のNetflixとアマプラの存在が圧倒的でしたが、最近では国内企業のU-NEXTも、2023年からTBSと組んだこともあり存在感が増しています。売上高800億円以上を誇る、国内勢最大の動画配信サービスへと成長しましたからね。
今言われているのは、Netflix、アマプラ、そしてU-NEXTの3社で映画『国宝』の独占配信権を巡るマネーゲームが繰り広げられることになるだろう、というものですね」
『国宝』は、邦画歴代興収1位を更新の可能性があるだけでなく、タイ・バンコク国際映画祭クロージング作品に決定したり、アメリカでは第98回アカデミー賞国際長編映画賞部門の日本代表に選出されるなど、世界的にも評価されている作品。そんな作品の独占配信の権利となれば、大金が動くのは容易に想像できる。
「『国宝』の独占配信権を得られるというのは、配信サービスにとって、単純に“『国宝』が見たい人”を同サービスに誘導できる、ということ以上の意味を持ちます。“邦画史に残る、超ヒット映画を独占配信しているメディア”として、強力なブランド力を持つことに繋がるんです。『国宝』を独占配信できることが、同サービスの“看板”になるわけです。
それだけに『国宝』の独占配信の権利を巡っては、20億円、30億円……桁違いな金額での争奪戦になると見られているんです。そうなると、このまま『国宝』が興収を伸ばし、邦画1位の『踊る大捜査線』の173.5億円を超えた場合、大手配信サービスに買われる金額を合計して、200億円超の作品になる、ということなんです」(前同)
『国宝』は、”圧巻の歌舞伎シーンは映画館で観てこそ!”という意見も多いが、上映時間が約3時間という点で鑑賞をためらう人も多く、
《国宝めちゃくちゃ観に行きたいけど3時間もジッとしておく自信ないからサブスク配信を心待ちにしておきます》
《国宝見てみたいけど3時間も集中力ないのでサブスクまで待つ》
《国宝はやくサブスク配信されないかなぁー家でゆっくり見返したいシーンが多すぎる》
といった、動画配信サービスでの視聴を考えている人も多い。
まだまだ映画館での上映は続くと見られる『国宝』だが、映画館での上映終了後も、半端ないお金を生み出す作品であるようだ。