■主演した“伝説作品”が大きかったという分析も
2019年7月、元SMAPの稲垣吾郎(51)、草なぎ剛(51)、香取慎吾(48)の独立後のテレビ出演に、旧ジャニーズ事務所が圧力をかけたとして、公正取引委員会から注意されていたと報じられた。
公正取引委員会を巡っては、24年12月にも、公正取引委員会が芸能人と芸能事務所の関係について、芸能人にヒアリングを行なった際、移籍や独立を巡って妨害を受けたという回答もあり、契約内容や法律に違反する行為があった場合には厳正に対応していく、と声明を発表したことも話題となった。
「公正取引委員会が動いたことで、業界全体の仕組みが変わったということですよね。
また、ひと昔前、俳優の主戦場は舞台を除けば、選択肢はテレビか映画でした。そして、大手プロダクションの強みというのは、そこにタレントをブッキングできることだったんです。たとえば、特定の局と太いパイプがあるプロダクションが、その局に所属の人気俳優を入れる――といった感じ。そんな狭い業界のため、忖度も発生しやすかったんです。
しかし、現在ではNetflixほかの大手配信サービスやSNSの普及に伴って、俳優が活動できる分野が広がりましたよね」(前出の平田氏、以下同)
のんは、前述の『幸せカナコの殺し屋生活』や、Netflix映画『新幹線大爆破』(4月23日配信)など、配信サービスでの仕事も多い。
「プロダクションサイドの影響力が弱く、忖度などが生じない場所で、のんさんのような俳優が活躍できる土壌ができたということですね」
さらに平田氏は、のんが地上波に戻れた理由について「のんさんの演技力、表現力の素晴らしさ、存在感の大きさはもちろんですが、朝ドラ『あまちゃん』の存在が大きい」と指摘する。
「朝ドラは、多くの人が見る国民的コンテンツですよね。『あまちゃん』は芸能界に詳しくない人でも、“そういえば、『あまちゃん』の子をドラマで見ないわね?”となるくらい、多くの人の記憶に残ってる作品ですし、“朝ドラ女優”には圧倒的なブランド力があるんです。その中でも『あまちゃん』の大旋風は特に凄かった。
もし、のんさんが『あまちゃん』で主演を務めていなかったら、のんさんの“復活”は難しかったかもしれませんね……」
圧倒的な才能、美しい容姿、培った俳優としての実力に加えて、時代の変化、そして伝説的な作品『あまちゃん』の存在もあり、地上波ドラマへの復帰を叶えたのん。民放ナンバーワンドラマ枠とも称されるTBS日曜劇場枠にゲスト出演し、さらに“監督・加藤浩次、主演・菊池風磨”という話題の日テレドラマのレギュラー内定報道……のんの今後のさらなる華々しい活躍は、ここから始まるのかもしれない――。