大ヒット作は生まれなかったものの、夏ドラマも多くの俳優が感動的な演技を見せてくれた。その中で、新たな可能性を感じさせてくれたのが、ラウール(22)、松本潤(42)、中村倫也(38)だろう。
ラウールは、木村文乃(37)主演の木曜劇場『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)で、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲルを演じた。同ドラマは、堅い家庭で育った真面目すぎる高校教師・小川愛実(木村)が、すれ違うことすらないはずのカヲルと出会い、大きな隔たりを越えて惹かれ合う、禁断なのに純愛な“愛”の物語。
ラウールにとってカヲルは、初めてのGP帯民放連ドラのメイン役。演技経験の浅さもあってラウールの前評判は低かったが、回を追うごとに評価を上げていったのは見事。序盤は感情表現がギクシャクしていて、ホストの“カヲル”と素顔の“鷹森大雅”の間で自我が揺れるシーンも、手探り感が透けて見えていた。
ただ、愛美との関係で苦悩が深まるにつれ、演技がより繊細に。物語の進みに合わせるように確実に成長していき、最終回では圧倒的な演技を見せた。演技技巧者の木村に引っ張られたところもあるが、この伸びしろはすごい。ファンからもX上で《内面が繊細すぎるカヲルを演じきってる》などと、驚きの声があがっていた。
Snow Manでは末っ子的ポジションなので、先輩俳優たちに引っ張ってもらうのに違和感がないし、素直になんでも吸収する下地があったのだろう。次はどんな役を演じるのか、俳優としての今後が楽しみだ。