■円熟味を見せた松本潤

 松本潤(41)は日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)で、総合診療科・徳重晃役で主演した。同ドラマは、富士屋カツヒト氏の漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(コアミックス)が原作で、病気を診るだけでなく、患者の心や生活背景にも向き合う、19番目の新領域・総合診療科を描くヒューマン医療エンターテインメント。

 松本といえば“俺様キャラ”。『花より男子』(TBS系)の道明寺司に始まり、そのイメージが強い。ところが、本作では問診で相手の話を聞く側の役どころ。新米医師役・滝野(小芝風花/28)がメインの第6話では、徳重は彼女を見守り続け、しゃべったのは3分半だけで、完全に脇にまわることもあった。

 この新たな試みは大成功で、静かながらも的確な松本の間と語り口は、物語にしっかりとした説得力を与え、高評価を得た。現在、42歳の松本は、役者として脂の乗る年齢だ。このタイミングで、受けの演技という新たな境地を切り開いた意味は大きい。

 は来春のコンサートで活動を終了する。その後は純粋に「松本潤」としての活動が始まるが、俳優としての大きな仕事を見せてくれることに、期待できそうだ。