■さらなるレベルアップをはたした中村倫也
中村倫也は、King&Prince・高橋海人(26)と金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)でダブル主演。同ドラマは、木崎ちあき氏の同名小説(角川文庫)が原作で、近未来の日本を舞台に、麻薬取締部特捜課のメンバーが、不可解な事件の解決に挑んでいく麻取アクション・エンターテインメントだ。
中村はシリアスからコミカルまで、もともと演技の幅が広い俳優だ。本作ではダークヒーローとして、ユーモアを織り交ぜた軽やかな演技から、憎しみや怒りに燃える重厚な演技まで、見事に演じ分けて見せ、バディを組んだ新人麻薬取締官・才木役の高橋海人が吹き飛んでしまったほど。
特に、謎の異能者・ジウ役の井浦新(50)との毎回のやりとりは、複雑な感情が入り混じる緊張感にあふれ、そこだけ別のドラマとして成り立つほどの完成度の高さだった。中村は中堅として、確固たるポジションを確立しているが、演技の面ではその中でも一歩、抜きん出た存在になったといえる。
10月から秋ドラマが始まるが、次は誰が大きな飛躍を見せてくれるだろうか。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。