■《藤原達也は続投なくて宮迫続投、香川照之起用は謎だわね》疑問の声続々

 そんな状況にある2人が『龍が如く』の最新作に起用されたこと(宮迫は継続起用)、一方、藤原は起用されなかったことなど、キャスティングを巡ってXは沸騰。

《藤原達也は続投なくて宮迫続投、香川照之起用は謎だわねまあ買うけども》
《宮迫続投、香川照之起用で藤原竜也消えるの笑う》
《藤原竜也降板は6で重要ポジ出演したから理解はできなくもない じゃあ同じく6に出演した宮迫博之も別の人に変えて良かったんじゃないの?ってなるのは不思議じゃない》
ピエール瀧を切った龍が如くスタッフがさぁ どうして、宮迫博之や香川照之を採用するのかな》
《ピエール瀧は切るのに香川照之と宮迫博之は続投なの意味わからんくて笑う》
《宮迫さんや香川さんのキャスティングが賛否のようですが、「過ちを犯した者のリスタート」について他でもない龍スタ自身が如く8で描いているのでこれ以上ない配役だと思います》

 などなど、さまざまな声が多数寄せられている。

 ピエール瀧(58)の名前を出すファンが多いのは、瀧が2019年3月に麻薬取締法違反容疑で逮捕された結果、彼がフェイスキャプチャーつきで出演していた『龍が如く』からの派生作品『JUDGE EYES :死神の遺言』(18年)の販売が一時見合わせとなり、後に声優と顔グラフィックを差し替えて再販されたことにちなむ。

「瀧さんの不祥事は、薬物絡みでの明確な犯罪行為で実刑判決も下った。しかも、登場作品『JUDGE EYES』は、まさに“薬物”がテーマの作品のため、シャレにならないところがありました。

 藤原さんの降板も、最近の『龍が如く』では、キャラクターの顔を基本的に演者本人の顔にすることを考えると、力也の“若い極道”という設定上、笠松さんへと変更した、ということかもしれません。

 ピエール瀧さん、藤原竜也さんの件は分かるとして……不祥事後に本格的な地上波テレビ復帰が叶っておらず、いまだ厳しい目で見られている印象もある宮迫さんと香川さんが起用されたのは、不思議ではありますよね」(前出のスポーツ紙記者)

 果たして、制作サイドの意図は――芸能評論家の三杉武氏に見解を聞くと、「まず、『龍が如く』はゲーム作品であって、民放ドラマではありません。そのため、不祥事タレントを起用したことによるクレームなどのリスクも少ないですよね」と前置きしたうえで、こう分析する。

「宮迫さんについては、なんだかんだ言って人気あるんだなと感じましたね。宮迫さんは、NHK大河ドラマ『北条時宗』(01年)に北条義宗役で出演したり、『ウルトラマン』シリーズで大人気の悪役・ウルトラマンベリアルの声優をしたり、俳優としても活躍してきたし、声の演技も評価されてますよね。『龍が如く』も、過去作での評判が良いから続投となったのではないでしょうか。

 また、宮迫さんはテレビから姿は消しましたが、現在も話題性はありますよね」(三杉氏、以下同)

 宮迫を巡っては、人気芸人たちにいじられるようなことも多く、ネットではたびたび名前が浮上して話題になる。

「香川さんも同じですよね。地上波復帰は叶っていませんが、俳優としては高く評価されていて、『地上波復帰して欲しい俳優ランキング』といったアンケート調査では上位に入ってくる。

 ちなみに“地上波出演”で言うと、香川さんが出演していた、本木雅弘さん(59)主演のNHKドラマ『坂の上の雲』(09年)は、昨年9月から今年3月にかけて、香川さんの場面がカットされるようなことはなく普通に再放送されていました」

 今年1月11日には、香川も出演していた松本潤(42)主演のTBS日曜劇場ドラマ『99.9―刑事専門弁護士―』の劇場版(2021年)が、同局で地上波初放送もされた。

「今回の『龍が如く極3』には、歌舞伎仲間の中村獅童さんも出演していますから、その縁もあったのかもしれません。それに、香川さんの強烈な顔芸や声の演技は、間違いなく『龍が如く』の作風にピッタリですよね。

 一部では地上波復帰説も言われるなか、今回の起用が追い風になるのでは、と見る向きもあります。話題性はあるし、演技力は折り紙つき。香川さんにとっても、セガにとっても、win-winなキャスティングなのではないでしょうか」

■セガから来た回答

 そこで本サイトは同ゲームを制作するセガに『龍が如く極3』のキャスティングについて問い合わせたところ、次の回答が得られた。どうやら、宮迫演じる神田が、前述の番外作品『Dark Ties』にも登場することが関係しているようだ。

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《『龍が如く 極3』と『Dark Ties』は独立したタイトルのため、『極3』をプレイせずいきなり『Dark Ties』をプレイすることができます。

 過去に『龍3』をプレイした方が、違う見た目、違う声のキャラクターを見て混乱しないようキャスト変更は『極3』のみに登場するキャラクターにとどめているのが宮迫さん続投の理由です。

 香川さんについては、「極」シリーズが単なるリメイクではなく、そこからもう1歩進んだものである点から、過去作と同じキャストだけでなく、「この人が演じることで別のおもしろさが生まれる」ようなキャラクターが必要だと考えています。「いま新しく演じてもらったらおもしろいと思える方」という点から表情の作り方も含めた深い演技力を持つ香川さんを起用しました》

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 ちなみに宮迫の過去の不祥事に関しては、『龍が如く』公式でもネタにされているところがある。制作総指揮の横山氏が『龍が如く極3』の発表会見にて、「(宮迫がYouTubeで投稿予定のメイキング動画に)僕もリスクを承知で出てますんで」「代表として、リスクを背負って宮迫さんと対談しておりますので(笑)」と話す場面があった。

 SNSでは物議を醸した宮迫の継続起用と香川の新規参戦は、『龍が如く極3』をプレーした人からどう評価されるだろうか。

三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。