10月に入り、秋ドラマもスタートしつつある地上波の連続ドラマ。そんななか日本の地上波ドラマ界は、エンターテインメント大国・韓国との共同制作ドラマや、韓国ドラマのリメイク作品に力を入れている。

 先の7月期には、若手実力派俳優・清原果耶(23)主演のTBS系火曜ドラマ『初恋DOGs』(夜10時~)が放送されたが、数字的な結果は“惨敗”に終わってしまったようだ――。

『初恋DOGs』は、愛を信じないクールな弁護士・花村愛子(清原)と、動物しか愛せないこじらせ獣医・白崎快(成田凌/31)の“愛犬”同士が恋に落ちたことをきっかけに始まるラブストーリー。同ドラマは、韓国ドラマファンの間で有名な映像制作会社「STUDIO DRAGON」が初めて日韓共同で制作したドラマであり、人気韓国人俳優のナ・イヌ(30)も重要なポジションで登場した。 

「放送前は期待の夏ドラマと言われていましたが、結局、大きな話題になるようなことはなく……。視聴率も最初から最後まで振るわなかったですね。最終回(9月2日)の視聴率は、世帯4.4%、個人2.5%。そして、テレビ界で重視されるコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は1.1%という、プライム帯番組として相当厳しいものとなりました。

 ただ、こうした日韓共同制作のドラマや、韓国ドラマのリメイク作品が全くウケずに終わるというのは同作に始まった話ではないですよね。『初恋DOGs』と同枠で放送された二階堂ふみさん(31)主演の『Eye Love You』(2024年1月期)は数字も堅調で、ファンイベントが行なわれるなど盛り上がりましたが、逆に言えば『Eye Love You』以外はそこまで話題になっていない感じで……」(民放キー局関係者)

 7月期ドラマでは、斎藤工(44)主演の『誘拐の日』(テレビ朝日系)も、韓国の同名ドラマ(23年)を原作としたリメイク作品。見逃し配信・TVerではどれだけの視聴者が最後まで見続けたかの割合を示す“完再生率”が夏ドラマ1位を記録したものの、視聴率やTVerの登録者数は、やはり振るわなかった。

 TBS以外の民放では、前述の『誘拐の日』もそうだが、特にテレビ朝日で韓国ドラマのリメイクや日韓共同ドラマが多く制作されている。竹内涼真(32)主演の『六本木クラス』は『梨泰院クラス』(20年)、松下奈緒(40)主演の『スカイキャッスル』(24年7月期)は『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』(18年)のリメイク作品だ。

 オリジナル作品では、今年4月期に放送された麻生久美子(47)主演の『魔物』は、韓国のスタジオ・SLLから原案、監督、プロデューサーらが参加した日韓共同制作ドラマである。

「いずれも爆発的なヒットには至らず、という感じですよね。『六本木クラス』の元作品の『梨泰院クラス』は世界的大ヒット作品だったのですが……。

 ここまで、日韓共同制作も韓ドラリメイク作品も今ひとつ成功していないと。その原因は当然、さまざまあるでしょうが、そのひとつとしては日本と韓国の撮影方針、方法の違いが大きいと見られています。韓国の撮影チームと日本の撮影チームが一緒になって作品を撮る際、どうしてもそこが問題になってきます。

 たとえばですが、日本では重視されている映像の“前後のつながり”を、韓国ではあまり意識していないといいますね。もちろん、制作チームによるでしょうが……」(同)