■データで浮き彫りになる「若者は飲み会嫌い」「若者はすぐ辞める」のウソ
コロナ禍を経て、先輩や上司との交流を通して社会人・学生としての振る舞いや人間関係を学ぶ機会が減少したり、飲み会参加にかかる時間や費用といった目先の負担を嫌がる人が増えているのは事実なのかもしれません。
しかし、若者が本当に飲み会をしたがらないという客観的根拠はなく、日本生産性本部が行った調査では職場と友人の飲み会が重なった場合、むしろ約6割の若者が職場を優先する結果となったデータもあるようです。
次に離職についてです。若者はすぐ辞めるというイメージがありますが、2021年卒の大卒者の3年以内離職率は34・9%で、これは、おおむね3割前後で安定している過去15年間の傾向と大差はありません。リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍も大きな変化をもたらしていないのです。
「世代で分けるから対立が起きる」というネットの声もあり、離職や職場での摩擦も単なる年齢差ではなく環境や関係性の問題が大きいことがうかがえます。